セイテクエンジニアのブログ かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ ITニュース. Windows 11バージョン24H2(OSビルド26100)の一般提供開始
2024年10月03日配信
2024年10月16日更新
執筆者:山内 和朗
Microsoftは2024年10月1日(米国時間)、Windows 11の最新バージョン「Windows 11バージョン24H2」をリリースしました。この最新バージョンのWindows 11は、Windows Updateを通じて機能更新プログラムとして段階的にロールアウトされますが、Windowsに詳しくない限り、段階的なロールアウトが拡大され利用可能になるまで待つことをお勧めします。
Windows 11バージョン24H2は、Windows 11になってからは1年に一度の機能更新プログラム、つまりWindows 11の最新バージョンです。2024年10月1日(米国時間)に一般向けにリリースされ、Windows Update、Windows Update for Business(遅延ポリシー設定、Microsoft Intune、およびWindows Autopatch)、Windows Server Update Services(WSUS)の各チャネルにて利用可能になりました。Windows Updateでは、段階的なロールアウトが始まり、ロールアウト対象になれば、Windows Updateで「Windows 11, version 24H2」の機能更新プログラムが利用可能になります。現在利用中のWindows 11のWindows Updateの設定で、「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」を「オン」にすると、比較的早い段階で機能更新プログラムが利用可能になるはずです。*1 また、Windows 11のProやEnterpriseエディションを実行中であれば、機能更新プログラムの遅延ポリシー設定(旧、Windows Update for Business)を「0」日に設定すると、Windows Updateですぐに機能更新プログラムのダウンロードとインストールが始まります(画面1)。Windows Update経由でインストールする場合、そのエクスペリエンスは毎月の品質更新プログラムとさほど変わりませんが、Windows 11バージョン24H2は機能更新プログラムであり、バージョンのアップグレードインストールが行われることになります。
画面1 機能更新プログラムの遅延ポリシー設定を使用すると、最も早く、確実に機能更新プログラムを入手できるはず
*1 今(10月9日以前)このオプションを「オン」にすると、Windows 11で再起動ループなど各種問題が報告されている9月末のオプションの更新プログラム(更新プログラムのプレビュー)「KB5043145」が検出されインストールされる可能性があることに注意してください。
Microsoft is investigating reports of reboot issues|Windows message center
一般向けリリース時点のOSビルドは「26100.1742」で(画面2)、9月末リリースのオプションの更新プログラム(更新プログラムのプレビュー)「KB5043178」をインストールすることで、OSビルド「26100.1882」に更新することができます。
画面2 アップグレード直後のWindows 11バージョン24H2のバージョン情報
Visual Studioサブスクリプション、ボリュームライセンスサービスセンター(VLSC)、およびWindows 11のダウンロードセンターからインストールメディアを入手できる他、Windows 11のダウンロードセンターからはインストールアシスタントを使用して手動でダウンロードとインストールを開始することもできます(画面3)。
Windows 11のダウンロード|Microsoft
画面3 Windows 11のダウンロードサイト
企業向けには、Windows 11 Enterprise 24H2とWindows 11 Enterprise LTSC 2024の90日評価版が提供されているので、アプリケーションとの互換性の調査などに利用するとよいでしょう。この記事を執筆している時点では日本語サイトからダウンロードできるのはまだバージョン23H2のメディアですが、英語サイトではバージョン24H2のメディアが利用可能になっています。
Windows 11 Enterprise|Microsoft Evaluation Center[日本語]
Windows 11 Enterprise|Microsoft Evaluation Center[英語]
Windows 11バージョン24H2の入手方法や新機能については、以下の公式ブログの記事で確認してください。
How to get new experiences for Windows 11|Windows Experience Blog
Windows 11, version 24H2: What’s new for IT pros|Windows IT Pro Blog
Windows 11バージョン24H2は一般向けに正式にリリースされましたが、最初に指摘したように、段階的なロールアウトの範囲が拡大されるまで待つことをお勧めします。バージョンのアップグレードにはハードウェアやアプリケーションとの互換性問題が付きものです。次第にロールアウト範囲が拡大され、新たな互換性問題が判明し、それが修正されるまで様子を見たほうがよいでしょう。もちろん、Windowsに詳しく、いち早く新機能を楽しみたい、何か問題が生じても自分で対処できる(バージョンをロールバックできる、Microsoftが提示する回避策を実施できるなど)自信があるのであれば、決して引き留めることなどしません。
しかし実際問題として、リリース時点で既に、特定のデバイス(Intel Smart Sound Technologyや指紋センサー)やアプリケーション(Safe Exam Browser、Easy Anti-Cheat、Asphalt 8)との互換性の問題が既知の問題として明らかになっており、中にはブルースクリーン(BSoD)が発生する問題もあるようです。それでもアップグレードを強行しようと考えているのなら、少なくとも以下で報告されている、そして今後報告されるだろう既知の問題を一通り確認するべきです。また、万が一に備えてシステムのフルバックアップ(システムイメージ)を作成しておくべきです。
Windows 11, version 24H2 known issues and notifications|Windows message center(Microsoft Learn)
MicrosoftはWindows 11バージョン24H2のリリースと同じ日に、コンシューマーおよびスモールビジネス向けの永続ライセンス版Office製品「Office Home 2024」および「Office Home and Business 2024」の発売を開始しました。Microsoftは個人向けを含め、Officeアプリの主力を「Microsoft 365」サブスクリプションに位置付けています。永続ライセンス版Officeは、インストール台数2台まで、サポート期間5年(2029年10月9日まで)、機能固定(更新ビルドで新機能が追加されない)など制限が多く、サブスクリプション版と比較して必ずしも価格メリットがあるわけではないことに注意してください。
10 月 1 日にコンシューマ向け Office 2024 提供開始|Windows Blog for Japan
10.3 追記) 「vol.40 Windows 11のVMテンプレートを作成|ラボ環境 in オンプレを作る(8)」に追記しましたが、Windows 11バージョン24H2ではOSドライブのBitLockerドライブ暗号化が既定でオンになる仕様に変更されました。その影響で、BitLockerをオフにしない限り、システム準備ツール(Sysprep)の実行は失敗します。なお、Windows 11バージョン24H2はインターネット接続なしでもインストールメディアからの新規インストールを完了させることができました。
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