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ITニュース. Microsoft Connected Cache for Enterprise and Educationの一般提供開始

2025年07月29日配信
2025年07月30日更新
執筆者:山内 和朗

 Microsoftは2025年7月23日(米国時間)、2024年11月からパブリックプレビュー提供していた「Microsoft Connected Cache for Enterprise and Education」の一般提供を発表しました。

Microsoft Connected Cache is now generally available|Windows IT Pro Blog(Tech Community)

 

 Microsoft Connected Cache for Enterprise and Educationは(以下、Microsoft Connected Cache)、Windows Update、Microsoft 365 Apps、Microsoft Edge、ストアアプリ、Intuneで配布するアプリのダウンロードのオンプレミスのキャッシュホストとして機能するキャッシュノードおよびそれを監視するAzureのサービス(画面1)であり、Windows Enterprise(E3、E5、およびF3)またはWindows Education(A3およびA5)のライセンスを保有する組織、またはこれらのライセンスを含む包括的なMicrosoft 365サブスクリプションを保有する組織は追加コストなしで利用できます。

 

画面1 オンプレミスで動くMicrosoft Connected Cacheのキャッシュノードの利用状況はAzureポータルで確認できる
画面1 オンプレミスで動くMicrosoft Connected Cacheのキャッシュノードの利用状況はAzureポータルで確認できる

 Microsoft Connected Cacheのキャッシュノードは、Linuxベースのコンテナー(IoT Edgeコンテナー)として提供され、オンプレミスのWindowsまたはLinuxを実行する付すとに展開することができます。Windowsの場合は、Windows Server 2022(デスクトップエクスペリエンス)以降またはWindows 11バージョン23H2以降のWindows Subsystem for Linux 2(WSL 2)上で動作するUbuntu環境に導入できます。Linuxの場合は、Ubuntu 24.04 LTSまたはRed Hat Enterprise Linux 8.xまたは9.xを実行するホストに、Linuxベースのコンテナーを直接的に展開することができます。Microsoft Connected Cacheの機能については、以下のパブリックプレビューの評価記事をご覧ください。

vol.76 オンプレミスWSUSの代替になるか? Microsoft Connected Cache for Enterprise(Preview)をプレビュー|Windows Server 2025大特集(13)

 なお、一般提供では、Windowsへの展開方法が変更され、ダウンロードパッケージがZIP形式からWindows用インストーラー(MSIXパッケージ《.msixbundle》)に変更されています。MSIXパッケージはストア(UWP)アプリのインストーラーであるため、UWPに対応していないServer Core環境にはインストールできませんでした。また、これまではWSL 2のみに依存していましたが、Hyper-V(管理ツールを含む)のサーバーの役割またはWindows 11の機能も必要になりました。

 プレビュー期間中、一般提供(GA)以前にキャッシュノードをデプロイした場合は、2025年9月14日までに再デプロイしてGAバージョンに移行する必要があります(プレビューバージョンはv1.0.x、GAバージョンはv2.0.0.2112_E、画面2)。アップグレードが必要な場合、Azure PortalのCache Node Managementのキャッシュノード一覧の「Migrated」列に「No」と表示されます。GA後に展開されたノードの場合「N/A」、GA前に展開され、GAバージョンに切り替え済みの場合は「Yes」と表示されます。詳しくは、公式ドキュメントおよびリリースノートで確認してください。

Microsoft Connected Cache for Enterprise and Education Overview|Windows(Microsoft Learn)
Release Notes for Microsoft Connected Cache for Enterprise and Education|Windows(Microsoft Learn)

画面2 Windows Server上のキャッシュノード(Ubuntuコンテナー)をGAバージョンに入れ替えるためには、再デプロイ(UbuntuのUnregisterと再インストール)が必要
画面2 Windows Server上のキャッシュノード(Ubuntuコンテナー)をGAバージョンに入れ替えるためには、再デプロイ(UbuntuのUnregisterと再インストール)が必要

 プレビュー段階では、Windows Server 2025やWindows Server 2022/2025日本語版への導入はできませんでしたが、GAバージョンはWindows Server 2025日本語版に導入できることを確認しました。ただし、Windowsへの導入は、ドキュメントで説明されている方法では正しくセットアップすることができず、インストールスクリプト(deploymcconwsl.ps1)を修正することで対応しました。現在、調査を継続中です。直接的に展開できるLinux環境の場合は比較的簡単に導入できました(画面3)。

 

画面3 Ubuntu Server 24.04 LTSで動くMicrosoft Connected Cacheのキャッシュノード
画面3 Ubuntu Server 24.04 LTSで動くMicrosoft Connected Cacheのキャッシュノード

 

追記)

 Windowsに展開する場合で実行ユーザーとしてローカルアカウントを使用する場合、インストールに使用するユーザーと実行アカウントは別にしてください。同じユーザーで作業すると、セットアップ後、インポートされたカスタマイズ済みLinuxディストリビューションとイメージ(Ubuntu-24.04-Mcc、Ubuntu-24.04-Mcc-Converted.vhdx)が現在のユーザー環境から削除(登録解除)されてしまいます。なお、実行ユーザーにはユーザーの権利「バッチジョブとしてログオン」が必要です。これにより、ユーザーの対話的なログオンに関係なく、Microsoft Connected Cacheを実行するLinuxディストリビューションが動作し続けることができます。

 

 Microsoft Connected Cacheについては、改めてこのブログで導入方法など解説します。

 

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