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vol.163 サーバー設定仕様書の更新|Windows Server 2016 EOSまであと393日

2025年12月15日配信
執筆者:山内 和朗

 Windows Server 2016の製品ライフサイクルとサポート終了日(End of LifeCycle《EOL》、End of Support《EOS》)である2027年1月12日までまだ1年以上ありますが、対策に着手するには遅すぎるくらいです。これまでHyper-V環境とActive Directory環境のアップグレード/移行について取り上げてきましたが、今回は移行後に忘れてはいけないサーバー設定仕様書の作成、更新について改めてお話します。

 

サーバー設定仕様書の更新は、移行後の最重要タスク

 

 この連載シリーズの最初のほうで、移行プロジェクトを成功させるには、現状を正確に把握することが重要と指摘しました。

vol.143 レガシシステムの棚卸と現状把握|Windows Server 2016 EOSまであと463日


 現状を正確に把握するためには、正確なサーバー設定仕様書(設計仕様書、パラメーターシートなど別の呼び方の場合もあります)を作成し、システム変更のたびに、その変更内容を反映させ、現状を反映したものに維持することが重要です。現状を反映したサーバー設定仕様書は、運用の品質や障害対応にの迅速化に直結します。適切に更新されていないと、障害時の原因調査に余計に時間がかったり、担当者が変更になったときの引き継ぎに支障をきたします。

 システムのリプレースやアップグレードは、サーバーに対する極めて大きな変更です。サーバー設定仕様書は更新というよりも、再作成に近いかもしれません。サーバー設定仕様書を人手で作成するとなると、対象が1台だけでも相当な時間がかかりますし、担当者によってフォーマットや入力方法(表現方法など)が異なる可能性があることも問題です。そして、人手に頼る作成、更新作業では、人的ミスが発生しやすく、サーバー設定仕様書の正確性に疑問が生じます。

 

再び、SSD-assistanceの出番、差分比較リストも活用して


 上記記事でも紹介した弊社のサーバー設定仕様書自動生成サービス「SSD-assistance」を利用すれば、Windows Serverの専門知識がなくても、情報収集ツールを実行し(画面1)、その収集データを弊社のSaaSサービス送信するか(SaaS版)、デスクトップツール(デスクトップ版)に読み込ませることで、短時間で共通フォーマットの正確なサーバー設定仕様書を作成することができます。

 

画面1 SSD-assistanceの情報収集は、収集ツールを実行するだけで完了する
画面1 SSD-assistanceの情報収集は、収集ツールを実行するだけで完了する

 SSD-assistanceは、Windows Serverのサーバー設定仕様書の作成はもちろんのこと、Windows Server向けにサーバー設定仕様書の「差分比較リスト」の作成をサポートしています(画面2)。移行前後に収集したデータが利用可能である場合は、それらを使用して差分比較リストを作成できます。差分比較リストでは、相違点を強調表示して並べて比較することができます(画面3)。

 差分比較リストを活用することで、インプレースアップグレードによって変更になった設定項目(主な理由はWindows Serverバージョン間の変更点の影響)や、リプレースやP2V移行の際に旧サーバーの設定(IPアドレス設定など)が正しく移行されているかどうかを確認できます。

 

画面2 Windows Server用の「差分比較リスト」を使用すると、取得時期や取得対象が異なる2つの収集データを比較できる
画面2 Windows Server用の「差分比較リスト」を使用すると、取得時期や取得対象が異なる2つの収集データを比較できる

 

画面3 差分比較リストでは、設定値を並列に並べて比較できる。異なる設定は強調表示されるので分かりやすい
画面3 差分比較リストでは、設定値を並列に並べて比較できる。異なる設定は強調表示されるので分かりやすい

 

 Windows用差分比較リストは、取得時期や取得対象の異なる2つのWindows用設定仕様書を比較するものです。Active DirectoryやIIS、WSUS、Hyper-V用デザインや、Linux、AWS、Azure、ネットワーク機器用設定仕様書の差分比較には対応していません。任意の設定仕様書の差分比較については、以下の製品コラムを参考にしてください。

 

任意の設定仕様書の差分比較がしたい ─ SSD-assistance活用例|製品コラム

 

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