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Windows Server 2016のサポート期限は2027年1月12日|終了前に備えるべき対策とは?

2025年09月05日配信

windows-server-2016-support-end-2027-01-12-preparation-measures.png Windows Server 2016をお使いの企業では、2027年1月12日にサポートが終了することをご存知でしょうか。サポート終了後は、セキュリティ脆弱性への対応やトラブル発生時のサポートが受けられなくなり、企業の情報システムに深刻な影響を与える可能性があります。
 しかし、多くの企業で課題となるのが、現在のシステム設定の把握不足による移行トラブルです。本記事では、Windows Server 2016のサポート期限と移行方法、そして設定情報のブラックボックス化を解決する方法について詳しく解説します。

 

目次

  1. Windows Server 2016のサポートスケジュール
  2. サポート終了後に起こりうる3つのリスク
  3. 移行に向けた3つの選択肢
  4. 移行トラブルの温床となる"設定情報のブラックボックス化"
  5. 設定情報を見える化すれば、スムーズで安全な移行が可能に
  6. 設定ドキュメントの自動化で移行をサポートする『SSD-assistance』
  7. まとめ|Windows Server 2016のサポート期限終了に向けて、まずは「設定の可視化」から

 

 

Windows Server 2016のサポートスケジュール

 Windows Server 2016のサポートは段階的に終了しており、企業は計画的な移行準備を進める必要があります。Microsoftが提供するサポート体系を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

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メインストリームサポートと延長サポートの違いとは?

 Microsoftのサポート体系には「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2つのフェーズがあります。メインストリームサポートでは、セキュリティ更新プログラムに加えて、新機能の追加や仕様変更への対応も行われます。一方、延長サポートでは、セキュリティ更新プログラムのみが提供され、新機能の追加や設計変更は行われません。
 Windows Server 2016のメインストリームサポートは2022年1月11日に既に終了しており、現在は延長サポートフェーズに入っています。この期間中は、セキュリティ上の脆弱性に対する修正プログラムのみが提供されるため、企業は次のステップへの移行を検討する必要があります。

 

延長サポート終了日は「2027年1月12日」

 Windows Server 2016の延長サポートは2027年1月12日に完全に終了します。この日以降は、Microsoftからのセキュリティ更新プログラムやサポートが一切提供されなくなります。本記事執筆時点から計算すると、移行準備期間は約2年程度となっており、大規模なシステム移行を考慮すると、決して余裕のあるスケジュールではありません。
 延長サポート終了後も、Microsoft社では有償の延長セキュリティ更新プログラム(ESU:Extended Security Updates)を提供する可能性がありますが、これは一時的な措置に過ぎず、コストも高額になる傾向があります。ESUは最大3年間の提供となっており、年を追うごとに料金が上昇するため、長期的な解決策としては現実的ではありません。
 そのため、2027年1月12日までに、Windows Server 2016から新しい環境への移行を完了させることが、コスト面とセキュリティ面の両方から見て最適な選択となります。移行には、現状調査、移行計画策定、テスト、本格移行、運用開始という段階的なプロセスが必要であり、各フェーズに十分な時間を確保するためには、可能な限り早期に移行プロジェクトを開始することが重要です。

 

 

サポート終了後に起こりうる3つのリスク

 Windows Server 2016のサポート終了後も継続利用した場合、企業は深刻なリスクに直面することになります。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。

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セキュリティ脆弱性が増し、サイバー攻撃の対象に

 サポート終了後の最大のリスクは、セキュリティ脆弱性への対応ができなくなることです。新たに発見された脆弱性に対するセキュリティパッチが提供されないため、システムは攻撃者にとって格好の標的となります。
 特に、Windows Serverはエンタープライズ環境において重要な役割を果たしているため、攻撃が成功した場合の被害は甚大です。機密情報の漏洩、システムの停止、データの改ざんなど、企業の事業継続に直結する深刻な問題が発生する可能性があります。近年のサイバー攻撃は高度化しており、サポート終了したシステムは特に狙われやすいのが現状です。

 

トラブル発生時もMicrosoftのサポート対象外

 サポート終了後は、システムトラブルが発生してもMicrosoftの公式サポートを受けることができません。これは、トラブルの原因究明や解決策の特定に時間がかかることを意味します。
 企業の情報システム担当者は、限られた情報や非公式な情報源に頼って問題解決を図る必要があります。その結果、システムの復旧に時間がかかり、業務への影響が長期化する恐れがあります。また、問題の根本的な解決ができず、同様のトラブルが繰り返し発生するリスクも高まります。

 

ハードウェア老朽化と互換性問題の表面化

 Windows Server 2016がリリースされた2016年から既に9年が経過しており、ハードウェアの老朽化も深刻な問題となっています。サーバー機器の一般的な耐用年数は5〜7年程度であり、多くの企業で使用されているハードウェアは交換時期を迎えています。
 古いハードウェアでは、突然の故障リスクが高まるだけでなく、新しいアプリケーションや周辺機器との互換性問題も発生します。パフォーマンスの低下や、最新のセキュリティ要件に対応できない場合もあり、企業の競争力に影響を与える可能性があります。

 

 

移行に向けた3つの選択肢

 Windows Server 2016からの移行には、主に3つの選択肢があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解し、自社の環境に最適な選択肢を選定することが重要です。

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1. 新バージョン(Windows Server 2025など)へのアップグレード

 最も直接的な選択肢は、Windows Server 2025やWindows Server 2022などの新しいバージョンへのアップグレードです。この方法では、既存のアプリケーションやデータをそのまま活用できるため、移行コストを抑えることができます。
 ただし、アップグレードを実行する前に、現在のアプリケーションやシステムが新しいOSバージョンに対応しているかを確認する必要があります。また、既存のハードウェアが新しいOSの動作要件を満たしているかも検証が必要です。アップグレード作業中にトラブルが発生した場合、システムの復旧に時間がかかる可能性もあります。

 

2. オンプレミスのサーバー刷新

 既存のハードウェアが老朽化している場合は、サーバー機器の刷新とともに新しいWindows Serverを導入する選択肢があります。この方法では、最新のハードウェア性能を活用できるため、システムの応答速度やセキュリティ面での向上が期待できます。
 サーバー刷新では、現在のシステム構成を新しい環境に移行する必要があります。これには、アプリケーションの再インストール、データの移行、ネットワーク設定の再構築などが含まれます。作業量は多くなりますが、この機会にシステム構成の見直しや最適化を行うことが可能です。

 

3. クラウドサービス(Azureなど)への移行

 近年注目されているのが、Microsoft Azureへの移行です。特にWindows Server環境では、同じMicrosoft製品であるAzureとの親和性が高く、スムーズな移行が期待できます。
 オンプレミスのWindows Server 2016をP2V(物理-仮想変換)やV2V(仮想-仮想変換)の方法でAzureに移行すれば、ネットワーク設定など最小限の設定変更で、そのままクラウドに移行することができ、しかもAzure仮想マシンであればESUを無料で受け取れる特典を得られます。そして、現在のシステムをそのまま継続利用しながら、クラウド上またはオンプレミスで次期システムへの移行を計画、実施することができます。クラウドをサーバーのプラットフォームとして利用すれば、物理サーバーの保守・管理から解放され、ハードウェア故障やデータセンターの設備トラブルのリスクも軽減されるという利点があります。また、必要に応じてCPU、メモリ、ストレージのリソース増減が可能で、業務負荷に応じたコスト最適化が実現できます。
 ただし、Azureは従量課金制のため、リソースの使用状況によっては予期せぬコスト増加が発生する場合があります。また、Azureの責任共有モデルでは、インフラストラクチャはMicrosoftが管理しますが、OS以上の層(OSの設定、アプリケーション、データなど)は利用者の管理責任となります。そのため、移行時には現在のOS設定を正確に把握し、Azure環境に適切に移行することが重要です。

 

 

移行トラブルの温床となる"設定情報のブラックボックス化"

 Windows Server 2016からの移行において、多くの企業が直面する深刻な問題が、現在のシステム設定情報の把握不足です。この問題は移行トラブルの主要な原因となっており、適切な対策が必要です。

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属人化・担当交代による引き継ぎ漏れ

 長期間運用されているWindows Server 2016では、システム設定に関する知識が特定の担当者に集中している場合が多く見られます。この属人化により、担当者の退職や異動の際に重要な設定情報が失われるリスクが高まります。
 引き継ぎ漏れは、移行作業において致命的な問題となります。重要な設定が見落とされることで、移行後にシステムが正常に動作しない、一部の機能が利用できない、パフォーマンスが著しく低下するなどの問題が発生する可能性があります。これらの問題は、移行完了後に発覚することが多く、対応に時間とコストを要します。

 

設定情報のドキュメントが存在しない/古い

 多くの企業では、システム構築時に作成されたドキュメントが更新されずに放置されているケースが見られます。運用中に行われた設定変更や追加構成がドキュメントに反映されないため、実際の設定と文書の内容に大きな乖離が生じています。
 古いドキュメントを基に移行作業を進めると、現在の設定状況を正確に把握できず、移行後のトラブルの原因となります。また、ドキュメントが存在しない場合は、移行作業そのものが困難になり、作業期間の延長やコストの増加につながります。

 

「何が動いているか分からない」状態での移行は危険

 システム設定の全体像が把握できていない状態での移行は、企業にとって大きなリスクとなります。どのようなサービスが動作しているか、どの設定が業務に影響するかが不明な状態では、移行計画の策定そのものが困難になります。
 このような状況では、移行作業中に予期しない問題が発生し、業務停止やデータ損失などの深刻な事態を招く可能性があります。また、移行後の動作確認においても、何をテストすべきかが明確でないため、問題の見落としが発生しやすくなります。

 

 

設定情報を見える化すれば、スムーズで安全な移行が可能に

 システム設定情報を適切に可視化することで、Windows Server 2016からの移行作業を安全かつ効率的に進めることができます。設定の見える化がもたらすメリットを具体的に解説します。

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現状把握で移行トラブル・コストを事前に回避

 現在のシステム設定を詳細に把握することで、移行作業において発生する可能性のあるトラブルを事前に予測し、対策を講じることができます。例えば、特定のアプリケーションが依存している設定や、業務に重要な影響を与える構成要素を特定することで、移行計画の精度が向上します。
 事前の現状把握により、移行作業中の想定外の問題発生を最小限に抑えることができ、結果として移行期間の短縮とコスト削減が実現できます。また、移行後の動作確認項目も明確になるため、品質の高い移行作業を実現できます。

 

チーム内・外部ベンダー間の認識齟齬を減らす

 設定情報が文書化されていることで、社内のチームメンバーや外部のベンダーとの間で、システム構成に関する共通認識を持つことができます。これにより、移行作業における指示の誤解や、作業内容の認識違いを防ぐことができます。
 明確な設定情報は、移行作業の効率化にも貢献します。作業者が現在の設定状況を理解しやすくなるため、作業手順の策定や実行がスムーズに進みます。また、複数の担当者が関わる場合でも、一貫した品質で作業を進めることが可能になります。

 

販売店視点では、調査工数や見積もり精度の向上も期待

 システム移行を外部のベンダーに委託する場合、現在の設定情報が整理されていることで、ベンダー側の事前調査工数を大幅に削減できます。これにより、見積もり精度の向上と提案内容の充実が期待できます。
 販売店やSIerにとって、顧客のシステム構成が明確であることは、最適な移行プランの提案につながります。また、移行作業におけるリスクの見積もりも正確になるため、プロジェクトの成功確率が向上します。結果として、顧客満足度の向上と長期的な関係構築に貢献できます。

 

 

設定ドキュメントの自動作成で移行をサポートする『SSD-assistance』

 Windows Server 2016の設定情報のブラックボックス化問題を解決するために、当社では『SSD-assistance』というソリューションを提供しています。このサービスにより、誰でも簡単にシステム設定の可視化を実現できます。

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誰でも使える、設定情報の自動ドキュメント化サービス

 『SSD-assistance』は、特別な技術知識を持たない方でも簡単に操作できる、設定情報の自動ドキュメント化サービスです。複雑な操作は不要で、簡単な設定を行うだけで、現在のWindows Server 2016の設定情報を網羅的に収集し、分かりやすい形式でドキュメント化します。
 従来の手作業による設定確認では、確認漏れや記録ミスのリスクがありましたが、『SSD-assistance』では自動化により、正確で一貫性のある設定情報を取得できます。また、定期的な実行により、設定変更の履歴管理も可能になります。

 

エンドユーザーの"見える化できていない"問題を解決

 多くの企業が抱える「現在の設定状況が把握できていない」という問題に対し、『SSD-assistance』は包括的な解決策を提供します。システム構成、ネットワーク設定、セキュリティ設定、インストール済みアプリケーションなど、移行に必要な情報を自動的に収集し、整理します。
 収集された情報は、移行計画の策定から実際の移行作業まで、あらゆる場面で活用できます。社内での移行作業はもちろん、外部ベンダーへの情報提供においても、正確で最新の情報を提供することができます。これにより、移行プロジェクトの品質向上と期間短縮が実現できます。

 

販売店でも調査工数削減・提案精度向上に貢献

 『SSD-assistance』は、販売店やSIerにとっても大きなメリットをもたらします。顧客のシステム構成調査に要する時間を大幅に削減できるため、より多くの案件に対応することが可能になります。
 また、正確な設定情報に基づいた提案により、見積もり精度が向上し、プロジェクトの成功確率が高まります。顧客との信頼関係構築にも寄与し、継続的なビジネス関係の発展に貢献します。調査工数の削減により、付加価値の高いサービス提供に集中できる環境を整えることができます。

 

 

まとめ|Windows Server 2016のサポート期限終了に向けて、まずは「設定の可視化」から

 Windows Server 2016のサポート期限終了に向けて、企業が取るべき行動と、その重要性について総括します。適切な準備により、安全で効率的な移行を実現しましょう。

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放置はリスク、早めの準備がコスト削減と安心につながる

 Windows Server 2016のサポート終了を放置することは、企業にとって大きなリスクです。セキュリティ脆弱性への対応不能、トラブル時のサポート不在、ハードウェア老朽化による突然の故障など、事業継続に直結する問題が発生する可能性があります。
 一方で、早期の準備開始により、これらのリスクを回避し、コスト削減も実現できます。十分な計画期間があることで、最適な移行方法の選択、段階的な移行による業務影響の最小化、予算の効率的な配分が可能になります。2027年1月12日のサポート終了まで残り約2年半となった今、準備を開始することが重要です。

 

『SSD-assistance』で、誰でも「移行できる状態」を実現しよう

 Windows Server 2016からの移行を成功させるためには、まず現在の設定状況を正確に把握することが重要です。『SSD-assistance』を活用することで、技術者でなくても簡単に設定情報の可視化を実現できます。
 設定情報の見える化により、移行計画の精度向上、トラブルリスクの軽減、作業効率の向上が期待できます。社内での移行作業はもちろん、外部ベンダーとの連携においても、正確な情報共有により、質の高い移行プロジェクトを実現できるでしょう。
 Windows Server 2016のサポート終了に向けて、まずは『SSD-assistance』による設定の可視化から始めませんか。無料トライアルも提供しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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