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セイテクエンジニアのブログ かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ ITニュース. Windows Admin Center(v2)2410のマイナーアップデートビルド「2.4.2.1」、1か月遅れでようやくリリース
2025年02月28日配信
2025年04月22日更新
執筆者:山内 和朗
Microsoftは2024年12月12日(米国時間)、WebベースのWindows Server、サーバークラスター、Azure Local(旧称、Azure Stack HCI)、Windows 10/11の管理ツール、「Windows Admin Center(v2)」の最新バージョン「WAC(v2)バージョン2410」(ビルド2.4.0.0)をリリースしましたが、リリース以降、数々の問題が報告されてきました。当初、1月末までに修正バージョンがリリースされるとされてきましたが、その予定は1か月伸び、2025年2月25日(米国時間)にようやくマイナーアップデートビルド「2.4.2.1」*1が提供されました。
*1 アナウンスでは2.4.2.1と記載されていますが表示場所によってはバージョン2.4.1やビルド2.4.2.1と表示される場合があります。例えば、「プログラムのアンインストールと変更」(appwiz.cpl)ではバージョン「2.4.1.2」、インストーラー(WindowsAdminCenter2410.exe)のファイルバージョンは「2.4.1.2」、バイナリ(WindowsAdminCenter.exe)のファイルバージョンは「2.4.2.1」です。
2024年12月11日(米国時間)にリリースされたWAC(v2)バージョン2410の一般提供ビルド「2.4.0.0」には、以下のアナウンスページの50を超えるコメント欄が示す通り、数多くの問題が確認されています。
Windows Admin Center version 2410 is now generally available!|Windows Admin Center Blog(Tech Community)
私もリリースされてすぐ、日本語環境においてインストーラーが盛大に文字化けする問題と、WACバージョン2311からアップデートした場合、旧バージョンのWACがアンインストールされず、WACバージョン2410も正常に動作しない(WACのサイトに接続できない)という問題を確認し、この連載で報告するとともに、Microsoftへのフィードバックも行いました。
ITニュース. Windows Admin Centerバージョン2410一般提供開始、日本語環境への導入には大きな言葉の壁が...
メモ. 文字化けの「Windows Admin Center Setup」でインストールを進める方法|Windowsトラブル解決
上記のアナウンスページのトップに追記されているように、マイナーアップデートビルドでは、ローカライズ、インストール、「すべての接続」ページの品質が改善されているそうです。マイナーアップデートビルドのインストーラーはアナウンスページの「Direct Download Link!」のリンクまたは、以下のリンクからダウンロードすることができます。マイナーアップデートビルドのインストーラーは、日本語環境で実行しても文字化けすることなく、インストールを完了することができました(画面1)。
Windows Admin Centerのダウンロード(Microsoft)
Windows Admin Center|Microsoft Evaluation Center(Microsoft)
WACバージョン2311の「設定|更新」やMicrosoft Evaluation Centerなど、いくつかの場所でWAC(v2)のMSI(.msi)形式のインストーラーをダウンロードするように記載されていますが、インストールファイルの形式EXE(.exe)です。また、ファイル名はGAビルドと同じ「WindowsAdminCenter2410.exe」であることにも注意してください。GAビルドのインストーラーのファイルサイズは130,863KB、デジタル署名のタイムスタンプは2024年12月10日、マイナーアップデートビルドのファイルサイズは128,996KB、デジタル署名のタイムスタンプは2025年2月25日です。
画面1 マイナーアップデートビルドのインストーラー(GAビルドと同じファイル名)は、日本語環境でも文字化けしない
既にWAC(v2)のGAビルドを導入済みの場合は、WAC(v2)のサイトや「設定」に、マイナーアップデートビルドが利用可能になったことを示す通知はありませんでした(2025年2月27日時点)。「設定|更新」にある「更新」ボタンをクリックしても、何も起こりません。WAC(v2)を最新ビルドに更新するためには、インストーラーを手動でダウンロードして、上書きインストールする必要がありました(画面2)。上書きインストールとはいっても、GAビルドと同じオプションを選択してインストールを進めるだけです。更新後、設定は引き継がれます。
画面2 マイナーアップデートビルドを上書きインストールすることで、WAC(v2)のビルドが「2.4.0.0」から「2.4.1.2」に更新された
Windows Server 2025には新機能として「Windows Admin Center Setup」が導入されています。この機能はWAC(v2)のダウンロードとインストールを簡素化してくれるものです。これまでは、GAビルドのインストーラーがダウンロードされる影響で、日本語環境でインストーラーが文字化けするという影響を受けましたが、こちらも最新ビルドのインストーラーに置き換わりました(画面3)。
画面3 Windows Server 2025のWindows Admin Center Setupからのインストール開始も文字化けしなくなった
WACバージョン2311を利用している場合、「設定|更新」に「更新プログラムを利用できます 新規: バージョン(2.4.2.1)」と表示され、ダウンロードリンク(.msiではなく、.exe)が提供されます。このダウンロードリンクからWAC(v2)の最新ビルドのインストーラーをダウンロードして実行できますが、GAビルドにあった問題は解消されていませんでした(画面4、画面5)。インストールが完了しても、WACバージョン2311はアンインストールされずに残り、マイナーアップデートビルドのWAC(v2)は機能しません。WAC(v1)からWAC(v2)へのアップグレードの問題は、今回のマイナーアップデートビルドでは修正されていないということです。現状、WAC(v1)から移行するためには、WAC(v1)のアンインストールとWAC(v2)の新規インストールが必要であり、設定は引き継がれません。
画面4 WACバージョン2311に通知されるリンクは、WAC(v2)の最新のインストーラー
画面5 WAC(v1)からWAC(v2)へのアップグレードには引き続き問題が残る
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