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ITニュース. Windows 11バージョン24H2の新機能「クイックマシンリカバリー」と「黒いBSOD」に初対面

2025年07月24日配信
2025年07月24日更新
執筆者:山内 和朗

 Microsoftが2025年7月22日(米国時間)にWindows 11バージョン24H2向けにリリースしたオプションの更新プログラム(更新プログラムのプレビュー、2025-07 D)では、Windowsの回復機能に関係する「クイックマシンリカバリー(迅速なマシンの回復)」と「予期しない再起動の新しいエクスペリエンス」という2つの機能が追加されます。2025-07 Dはオプションですが、その内容は2025年8月のセキュリティ更新(2025-08 B)に含まれる形で一般に提供されます。また、これらの新機能は、今後、Windows Serverにも提供される予定とのことです。

2025 年 7 月 22 日 — KB5062660 (OS ビルド 26100.4770) プレビュー|サポート(Microsoft)

 

クイックマシンリカバリー(迅速なマシンの回復)

 

 クイックマシンリカバリー(迅速なマシンの回復)は、従来のスタートアップ修復を補間する自動修復(クラウド修復とも呼ばれます)機能を提供します。この機能は、Homeエディションでは既定で有効ですが、Home以外のエディションでは既定で無効になっています。有効にするには、「設定」アプリの「システム」に新たに追加された「回復 > クイックマシンリカバリー」で機能をオンにします(画面1)。

 

画面1 クイックマシンリカバリーをオンにする(Homeエディション以外は既定でオフ)
画面1 クイックマシンリカバリーをオンにする(Homeエディション以外は既定でオフ)

 これまでは、コンピューターに起動を妨げる重大なエラーが発生したときや、起動の失敗が繰り返されたとき(意図的なリセットを含む)、自動修復(スタートアップ修復)機能が始まり、自動修復で問題を修復できなかった場合はWindows回復環境(WinRE)に入るための「詳細オプション」が提示されました(画面2)。

 

画面2 これまでのコンピューター起動問題発生時のスタートアップ修復の動作
画面2 これまでのコンピューター起動問題発生時のスタートアップ修復の動作

 クイックマシンリカバリーが有効になっている場合、スタートアップ修復後に、自動的にWinREのネットワーク機能を有効化し、Windows Updateをスキャンして、解決のためのソリューション(解決策)を探し、手動による介入なしで更新プログラムをインストールしてくれます。ソリューションが見つからなかった場合は、「現時点では、デバイスを自動的に修復できませんでした」と表示して、指定した時間が経過すると再び解決策の検索を試みます(画面3)。

 

画面3 クイックマシンリカバリーの動作(解決策が見つからなかった場合)
画面3 クイックマシンリカバリーの動作(解決策が見つからなかった場合)

 

予期しない再起動の新しいエクスペリエンス

 

 コンピューターでSTOPエラー(バグチェック)が発生し予期せず停止した際に表示される青い画面は、これまでブルースクリーン、BSOD(Blue Screen Of Death)と呼ばれてきました。Windows 10/11の場合は、青い背景に、顔文字(英語版のみ)とSTOP(停止)コード、失敗した内容(ドライバーやエラーコードなど)が表示されてきました。

 Windowsの古いバージョンから一貫して青い画面であったBOSDが、Windows 11バージョン24H2(2025-07 D以降)では、Windows 11のビジュアルスタイルに合わせたものになり、黒い背景に短いメッセージと、ダンプの進行状況、STOPコード、発生したモジュール(ドライバーなど)から成るシンプルなものになります(画面4)。青(Blue)ではなく黒(Black)の Screen Of Deathです。なお、「Windows の予期しない再起動とコードの停止エラーのトラブルシューティング」には日本語にローカライズされたスクリーンショットを確認できますが、実際に確認できた画面は、日本語にローカライズされていませんでした。

 

画面4 予期しない再起動の新しいエクスペリエンス。日本語版のWindows 11であるが、黒いBSOD画面はローカライズはされていなかった
画面4 予期しない再起動の新しいエクスペリエンス。日本語版のWindows 11であるが、黒いBSOD画面はローカライズはされていなかった

 この新しいエクスペリエンスは、2025-07 Dをインストールしたすべてのデバイスで確認できたけではありません。「利用可能になったら最新の更新プログラムを入手する」オプションがオンになっている、Windows 11 Homeエディションでのみ確認することができました。それ以外のデバイス(Enterprise日本語版および英語版)では、「利用可能になったら最新の更新プログラムを入手する」オプションをオンにしてもこの機能を確認することはできず、従来のブルースクリーンのままでした(画面5)。*1 そのため、新しいエクスペリエンスの利用可能性に「利用可能になったら最新の更新プログラムを入手する」オプションが関係しているとは限りません。なお、今回の更新とは関係なく、バージョン23H2日本語版とは異なり(バージョン23H2日本語版の実際のBOSDの画面《クリックで拡大》)、Windows 11バージョン24H2およびWindows Server 2025日本語版ではブルースクリーンの画面がローカライズされいないことに気付きました。BSODの置き換えが決まっていたからなのか、単なるローカライズ漏れなのかは分かりません。
*1 Windows 11バージョン24H2(OSビルド26100.4770)を実行するHyper-V VMで、NMIクラッシュダンプおよびWindows SysinternalsのNotMyFaultによるSTOPエラーで確認。Hyper-VでNMI割り込みをVMに送信するには、get-vm "VM名"|Debug-VM -InjectNonMaskableInterruptを実行。

 

画面5 手元のVM(複数台)では、予期しない再起動の新しいエクスペリエンスではなく、従来のブルースクリーンのままだった
画面5 画面4が表示されたのはHomeエディションの1台だけで、他は新しいエクスペリエンス(黒いBSOD)ではなく、従来のブルースクリーン(青いBSOD)のままだった。ただし、こちらもWindows 11バージョン24H2(およびWindows Server 2025)日本語版ではローカライズされていなかった

 

さらに詳しく...

 

 今回紹介した2つの機能は段階的なロールアウトに分類されているため、2025-07 D以降をインストールしたすべてのデバイスですぐに利用可能になるわけではないのかもしれません。なお、クイックマシンリカバリーについては、2025-07 Dをインストールした複数台のVM(日本語版および英語版)すべてで利用可能になっていました。

 

 2025-07 D以降の2つの新機能について詳しくは、以下の公式ブログポストおよび公式ドキュメントを参照してください。

Resilience in action for Windows devices|Windows IT Pro Blog(Tech Community)
コンピューターの迅速な回復|Windows(Microsoft Learn)
Windows の予期しない再起動とコードの停止エラーのトラブルシューティング|サポート(Microsoft)

 

 なお、旧BSDOに表示されていたQRコードは「https://www.windows.com/stopcode」を示しており、このURLは上記の「Windowsの予期しない再起動とコードの停止エラーのトラブルシューティング」にリダイレクトされるようになっています。そして、リダイレクト先には最近新しいエクスペリエンスが反映されています(この記事執筆時点での最終更新日は2025年7月23日)。ただし、新旧BSODのスクリーンショットはWindows 10/11日本語版の実際のものではなく、英語版の画面の内容を機械翻訳して、加工した(生成された)もののようです。なぜなら、日本語版の旧BSODには顔文字(:( :))は存在しないですし、日本語の表現や表示が明らかにおかしい(再起動し20%ます。完成)からです(バージョン23H2日本語版の実際のBOSDの画面《クリックで拡大》)。

 

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