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ITニュース. Sysinternals更新情報: Process Explorer v17.06

2024年05月30日配信
2024年06月18日更新
執筆者:山内 和朗

procexp1706 Microsoftは2024年5月28日(米国時間)、同社が無料ダウンロード提供している「Sysinternals」ユーティリティの一部の更新版をリリースしました。今回は、Windows向け「Process Explorer(Procexp) v17.06」と、Linux向け「ProcDump 3.3 for Linux」が更新されています。

ProcDump 3.3 for Linux and Process Explorer v17.06(Sysinternals Blog)

 

 ProcDump for Linuxは利用者が少ないと思うので説明は省きます。Procexpのほうは、Sysinternalsで最もメジャーと言っていいユーティリティなので、唯一のSysinternals日本語解説書の作者(翻訳者)である私から簡単に紹介しましょう。


その良さがよくわかるProcexpの使用例

 

 Process Explorer(Procexp.exe)は、簡単に言ってしまえば、Windows標準のタスクマネージャー(Taskmgr.exe)の超高機能版です。このユーティリティは、20年以上の歴史のある、Sysinternalsの中で最も機能が豊富で、Windowsの内部にさまざまな側面からアプローチすることができます。

 最新のProcexp v17.06は軽微なバグ修正であり、新機能はありません。例えば、Procexp v17.05で「Process」メニューの「Suspend/Resume」項目がずれる表示上の問題がありましたが、これが修正されています。使い方はこれまでと全く変わりません。

 Procexpの便利な使用例としてよく取り上げられるのが、ファイルやフォルダーの名前変更や削除の際の“使用中”エラーの原因の調査と解決です。例えば、あるフォルダーの名前を変更しようとしたとき、「使用中のフォルダー」ダイアログボックスが表示されることがありますが、原因となっている“別のプログラム”が分からないということはないでしょうか。

 そんなときは、Procexpを起動して、虫眼鏡アイコン(Find Handle or DLL...)をクリックして「Process Explorer Search」ボックスで問題のフォルダー名を検索します。すると、すぐにそのフォルダーを開いているプロセスが見つかります(画面1)。プロセスのプロパティを開いて「Image」タブを確認すると、カレントディレクトリ(Current directory)が問題のフォルダーを指しているのがわかるでしょう(画面2)。このプロセスに対応するアプリケーション(この例では「Windows FAXとスキャン≪WFS.exe≫」)を閉じるか、アプリケーションからのデータを別のパスに保存してカレントディレクトリを変更すれば、フォルダーの名前を変更できるようになります。

 

画面1
画面2 「領収書」フォルダーの名前変更を阻んでいるプロセスを検索

 

画面2
画面3 プロセスのカレントディレクトリが「領収書」フォルダーを指している

 

Windows向けSysinternalsの入手方法あれこれ

 

 Sysinternalsユーティリティのほとんどは、インストールせずに、ダウンロードした実行ファイルを単体で実行して利用することができます。その入手方法としては、以下の3つの方法があります。

 

  • https://learn.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/からの個別(ツール名.zip)またはSysinternals Suite(SysinternalsSuite.zip)としてまとめてダウンロードして展開
  • Microsoft Store版Sysinternals Suite(→Microsoft Store)をインストール
  • Sysinternals Liveから直接ダウンロードして実行。例えば、Procexpの最新版はhttps://live.sysinternals.com/procexp.exeを開く

 

 最新版を利用するには、必要時にSysinternals Liveから最新版を実行するか、Microsoft Store版Sysinternals Suite(Windows 10およびWindows 11の場合)を利用することをお勧めします。Microsoft Store版Sysinternals Suiteは、更新版がMicrosoft Storeで利用可能になるまでタイムラグがありますが、アプリの更新機能で自動的に最新版に更新されます。

 

お勧めの一冊

 Windows Sysinternalsユーティリティの日本語解説については、少し古い書籍ですが、こちらをお勧めします。Windows Sysinternalsユーティリティは更新を続けていますが、ユーティリティのラインアップや基本的な使い方に変わりはありません。Procexpは第2部リファレンスガイドで最初に解説するユーティリティとして、かなりのボリューム(第3章丸ごと)を割いて詳しく説明されています。また、第3部のさまざまなトラブルシューティング事例で最も登場回数の多いユーティリティです。

 

ブックカバーWindows Sysinternals 徹底解説 改訂新版

著者   : Mark E. Russinovich、Aaron Margosis 著
訳者   : 山内和朗
価格   : 6,050 円(税込)
ISBN   : 978-4-8222-9896-8
発行日 : 2017年06月05日
発行元 : 日経BP
頁数   : 740ページ

※書籍の正誤情報、およびユーティリティのこれまでの更新情報については、旧ブログサイトをご覧ください。

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