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ITニュース. Windows Server 2025(OSビルド26100)の一般提供開始

2024年11月11日配信
2024年11月11日更新
執筆者:山内 和朗

 Microsoftは2024年11月1日(米国時間)、Windows Server長期サービスリリース(LTSC)の最新バージョン「Windows Server 2025」をリリースしました。Windows Server 2025の変更点や新機能については、今後、このブログで詳しく取り上げていく予定ですが、まずは正式リリースのご案内です。

 

Windows Server 2025とは

 

 Microsoftは2024年11月1日(米国時間)、Windows Server長期サービスリリース(LTSC)の最新バージョン「Windows Server 2025」、およびWindows Server 2025の管理に対応した「System Center 2025」をリリースしました。公式アナウンスは以下のように控えめですが、2024年11月後半にシカゴおよびオンラインで開催される年次テクニカルカンファレンス「Microsoft Ignite 2024」にて、より詳しい情報が発表されるようです。

 

公式アナウンス:

Windows Server 2025 now generally available, with advanced security, improved performance, and cloud agility|Windows Server(Microsoft)

製品サイト:

Windows Server Operating System[英語](Microsoft)
System Center 2025[英語](Microsoft)

 2023年9月以降、Windows Server では、2から3年ごとにリリースされる「長期サービスチャネル(Long-Term Servicing Channel≪LTSC≫)」と「年間チャネル(Annual Channel≪AC≫)」の2つのリリースチャネルでWindows Serverをリリースしています。Windows Server 2025は、LTSCリリースの最新バージョンであり、OSビルドはWindows 11バージョン24H2と共通の「26100」(GA/RTMビルドは26100.1742)です。

 

 LTSCはメインストリーム5年と延長サポート5年のあわせて10年サポートを提供するのに対して、ACは18か月のメインストリームサポートと6か月の延長サポートのあわせて2年のサポートが提供されます。ACは、より迅速なイノベーションを必要とする、コンテナーホストおよびコンテナー化アプリケーションのためのOSとしての利用が想定されており、Server Coreインストールのみで提供されます。Windows Server 2025と同じOSビルドベースのWindows Server 24H2がACにてリリースされると思われますが、現時点ではまだリリースされていないようです。

 

 Windows ServerデスクトップエクスペリエンスはWindows Server 2016以降、Windows 10のスタイルと外観を備えていましたが、Windows Server 2025は最新のWindows 11バージョン24H2のスタイルと外観に変更され、「設定」アプリの「アカウント|電子メール & アカウント」が利用可能になり、アプリで使用するオンラインアカウント(Microsoft Entra IDやMicrosoftアカウント)を追加できるようになっています。その他にもさまざまな新機能や変更点がありますが、このブログで今後、一つ一つ取り上げていく予定です。

 

画面1

画面1 Windows 11バージョン24H2と同じスタイルと外観を持つWindows Server 2025デスクトップエクスペリエンス

 

 Windows Server 2025の詳細について、いち早く知りたいという場合は、以下のドキュメントで確認してください。

 

Windows Server 2025 の新機能|Windows Server(Microsoft Learn)
What's new in Windows Server 2025[英語]|Windows Server(Microsoft Learn)

 

 Windows Server 2025では、削除された機能や、開発が終了した機能も存在します。既存環境をアップグレードする場合は、影響する可能性があるので、事前に確認しておくことをお勧めします。


Windows Server 2025 以降で削除された機能または開発が終了した機能|Windows Server(Microsoft Learn)
Features removed or no longer developed starting with Windows Server 2025[英語] |Windows Server(Microsoft Learn)

 

 例えば、Windows Server 2025からは「SMTPサーバー」のサーバーの機能が削除されました。この機能は何年も前に開発終了扱い(非推奨)となり、Windows Server 2022の時点では正常に動作しなくなっていました。Windows Server 2019からの移行を考えていて、「SMTPサーバー」をメール中継などに利用している場合は、代替手段を検討する必要があります。

 

 また、Windows 11バージョン24H2と同様に、Windows Server 2025では「WMIC」コマンドがオプション機能(オンデマンド機能)になり(Windows 11はバージョン22H2からオプション機能化)、新規インストールでは既定でインストールされなくなりました。WMICコマンドを使用する場合は、手動でオプション機能を追加する必要があります(アップグレードインストールの場合は引き継がれるため追加不要です)。

 

 さらに、Windows Server 2025では、既にお伝えしたようにサーバーの役割の「Windows Server Update Services(WSUS)」が非推奨になりました。WSUSは引き続き導入して利用することができますが、Windows Serverの将来のバージョンでは削除される可能性があるため、後継のソリューションの検討を始めるべきです。

 

ITニュース. 企業のパッチ管理の基盤「WSUS」が非推奨へ、どうする!?オンプレのパッチ管理(2024年9月25日)

 

無料で試用できる180日評価版を入手する

 

 Windows Serverの新バージョンが利用可能になったからといって、今すぐ、事前検証なしで新規導入することや、アップグレードインストールはお勧めしません。リリース直後は既知の問題が次々に明らかになるはずです。

 

Windows Server 2025 の既知の問題と通知|Windows message center
Windows Server 2025 Known issues and notifications|Windows message center

最新情報(11月11日追記)

 Windows Server 2025からは、サーバーOSについてもWindows UpdateおよびWindows Server Update Services(WSUS)を通じた「機能更新プログラム(Feature Update)」によるインプレースアップグレードの手段が利用可能になる予定です。しかし、Windows Server 2025のリリース直後、サードパーティの更新管理ツールを使用する一部の環境で予期せずWindows Server 2019/2022がWindows 2025に自動アップグレードされたり、本来、機能更新プログラムによるインプレースアップグレードを望む企業にのみ提供されるはずのオプションの更新プログラムとしての機能更新プログラムが、そうでない企業のデバイスに表示されたりといった問題が確認されています。この新しいインプレースアップグレードオプションは、当面の間、注意したほうがよさそうです。

 

  既知の問題の一覧に含まれない問題も確認しています。例えば、Windows 11バージョン24H2の新規インストール時の英語キーボード問題がWindows Server 2025 Previewにも存在することを以下の記事でお伝えしましたが、正式リリースの時点でもこの問題は解消されていません。Windows Server 2025では、英語キーボードの状態が、インストール完了後、最初に再起動されるまで続きます。他にも日本語版固有の問題をいくつか確認しています。

 

メモ. Windows 11 24H2の新規インストール、正しいはずのパスワードが弾かれる(追加情報あり)

 運用環境に導入する前に、180日評価版を入手して、評価環境(オンプレミスの仮想環境など)で評価/テストすることをお勧めします。Windows Server 2025の各国語版を含む180日評価版のISOイメージおよびVHDイメージ(Windows Server 2025 Standard/Datacenter Evaluation)は、Microsoft Evaluation Centerから無料でダウンロード可能です(画面2、注: この記事の執筆時点では日本語サイトからダウンロードできるのはプレビュー版であることに注意してください)。Microsoft Azureでは、既にWindows Server 2025のイメージがMarketplaceの「Windows Server」オファーのプランで利用可能になっています(画面3)。

Windows Server 2025|Microsoft Evaluation Center(Microsoft)
Windows Server 2025[英語]|Microsoft Evaluation Center(Microsoft)

 

画面2
画面2 Windows Server 2025 Standard/Datacenter Evaluation(180日評価版)はMicrosoft Evaluation Centerから無料で入手可能

 

ws2025_scr03

画面3 Azureでは既にWindows Server 2025(製品版)のイメージが用意されており、デプロイ可能

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