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セイテクエンジニアのブログ  かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ  vol.69 ネイティブブートVHDXとWi-Fi&Bluetooth|Windows Server 2025大特集(6)

 

 

vol.69 ネイティブブートVHDXとWi-Fi&Bluetooth|Windows Server 2025大特集(6)

2024年12月16日配信
2025年04月22日更新
執筆者:山内 和朗

 前回(vol.68)はHyper-V仮想マシン(VM)にインストールしたWindows Server 2025 Standard Evaluation(180日評価版)のVHDXイメージを使用して、物理マシンをネイティブブートVHDXで起動して物理環境で評価する方法を紹介しました。その際、物理環境でなければ評価できないWindows Server 2025の新機能として、Wi-Fi接続とBluetooth接続のことを紹介しました。

Windows Server 2025 の新機能: Wi-Fi|Windows Server(Microsoft Learn)
Windows Server 2025 の新機能: Bluetooth|Windows Server(Microsoft Learn)

 

ネイティブブートVHDXの環境をWindows 11デバイスに持ち込む

 

 Windows Server 2022以前では、Bluetoothがサポートされていませんでした。Bluetoothを使用することは不可能ではありませんが、完全な互換性を提供するものではありませんでした。Wi-Fi接続については既定では利用できず、利用するためにはサーバーの機能「ワイヤレスLANサービス」を追加する必要がありました。Windows Server 2025でこれらがどう変わったのか、ネイティブブートVHDXで起動した環境で確認してみました。

 

 通常のサーバーハードウェアは、Wi-Fi対応のネットワークアダプターやBluetoothアダプターを持ちません。そこで、Wi-FiおよびBluetoothに対応したWindows 11のプリインストールデバイスに、同じVHDXファイルをコピーしてネイティブブートVHDXを構成しました。ネイティブブートVHDXの構成については、前回の記事を参照してください。今回は、ネイティブブートVHDXで起動できるように、VHDXファイルをC:ドライブにコピーし、さらにC:ドライブのBitLockerドライブ暗号化を無効しました(画面1)。

 

画面1 Windows 11デバイスのC:ドライブのBitLockerドライブ暗号化を無効にし、C:ドライブにネイティブブートVHDX用のVHDXファイルをコピーして、ブート構成データ(BCD)にエントリを追加する
画面1 Windows 11デバイスのC:ドライブのBitLockerドライブ暗号化を無効にし、C:ドライブにネイティブブートVHDX用のVHDXファイルをコピーして、ブート構成データ(BCD)にエントリを追加する

 Windows 11デバイスを再起動すると、青い背景の(タッチパネル対応の)「オペレーティングシステムの選択」ページが表示されるので、既定ではないほうのネイティブブートVHDXのエントリを選択します(画面2)。すると、初回起動時に新たに検出されたデバイスのインストールが行われたのち(画面3)、再起動して、再び「オペレーティングシステムの選択」ページが表示されました。もう一度、ネイティブブートVHDXのエントリを選択すると、Windows Server 2025のサインイン画面(ログオン画面)が表示されるので「Ctrl+Alt+Del」キーを押してサインインします。なお、モダンブート環境ではない(CUIベースのレガシブート環境である)Windows ServerバージョンとネイティブブートVHDXのマルチブート環境では、初回起動時を除いて何度も起動エントリを選択する必要はないはずです。

 

画面2 モダンブート環境の起動OSの選択画面
画面2 モダンブート環境の起動OSの選択画面

 

画面3 初回起動時にデバイスのインストールが試みられる
画面3 初回起動時にデバイスのインストールが試みられる

 

不足しているデバイスドライバーをインストールする

 

 すべてのデバイスがWindows Server 2025のインボックス(同梱)ドライバーで動作するわけではありません。そのため、ネイティブブートVHDXで起動した環境では、対応するデバイスドライバーがないため、エラー状態となっているか、不明なデバイスと表示されるはずです。新機能であるWi-Fi接続やBluetooth接続用のデバイスも、おそらくデバイスドライバーのインストールが必要になるでしょう。

 「デバイスマネージャー」(devmgmt.msc)を開いて、そのようなデバイスを確認し、右クリックメニューから「ドライバーの更新」を選択して、適切なデバイスドライバーをインストールします。Windows Updateを検索してインストールできる場合もありますが、物理環境のC:ドライブにドライブ文字を割り当て、「ドライバーの更新」で「コンピューターを参照してドライバーを検索」を選択し、そのドライブの「¥Windows¥System32¥DriverStore」を検索させることで、多くのデバイスの適切なデバイスドライバーをインストールできるはずです(画面4、画面5)。

 

画面4 物理環境のC:ドライブのボリュームに任意のドライブ文字を割り当て、「ドライバーの更新」でそのドライブの「¥Windows¥System32¥DriverStore」を検索させる
画面4 物理環境のC:ドライブのボリュームに任意のドライブ文字を割り当て、「ドライバーの更新」でそのドライブの「¥Windows¥System32¥DriverStore」を検索させる

 

画面5 Windows Updateの検索や、デバイスドライバーのダウンロードなど煩雑な作業なしで、適切なデバイスドライバーをインストールできる
画面5 Windows Updateの検索や、デバイスドライバーのダウンロードなど煩雑な作業なしで、適切なデバイスドライバーをインストールできる

 

Wi-Fi接続とBluetoothデバイスの接続

 

 無線LANアダプターとBluetoothアダプターのデバイスドライバーをインストールして、デバイスが有効(エラー状態でない)になっていれば、Windows 11(バージョン24H2)とまったく同じ方法で、「設定」アプリやタスクバー上のアイコンからWi-Fi接続やBluetoothデバイスとの接続を行うことができます(画面6、画面7)。ただし、私の手持ちのBluetoothデバイス(マウスとキーボード)を試してみましたが、ペアリングは「接続済み」となって成功するものの、接続したマウスおよびキーボードのデバイスドライバーが見つからないため、「Bluetoothデバイスの表示」にはペアリング済みのデバイスに「ドライバーは使用できません」と表示され、使用することはできませんでした。つまり、Bluetooth経由で接続するデバイスを実際に利用できるかどうかは、Windows Server対応のデバイスドライバーが利用できるかどうかにかかっています。

 

画面6 Wi-Fi接続は、Windows Server 2025においても、Windows 11とまったく同じ操作で行える
画面6 Wi-Fi接続は、Windows Server 2025においても、Windows 11とまったく同じ操作で行える

 

画面7 マウスとキーボードのBluetooth経由での接続については、ペアリングは成功したものの、マウスとキーボードのWindows Server対応のデバイスドライバーが入手できなかったため、実質的に利用できなかった
画面7 マウスとキーボードのBluetooth経由での接続については、ペアリングは成功したものの、マウスとキーボードのWindows Server対応のデバイスドライバーが入手できなかったため、実質的に利用できなかった

 

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