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メモ. Windows Server 2025評価版の評価期間リセット可能回数は“1回”限りに

2025年04月04日配信
2025年04月23日更新
執筆者:山内 和朗

 Windows Serverの評価版は180日間、特に機能制限なくWindows Serverを評価できます。この評価期間が切れそうになった(切れた)としても、Windows Server 2022以前はこの評価期間を最大6回まで延長できました。しかし、Windows Server 2025では状況が変わりました。リリース直後からWindows Server 2025の評価版を試用してきた人は、そろそろ残りの評価期間が少なくなってきているでしょう。Windows Server 2025では、評価期間のリセットは1回限りであることにご注意ください。

 

評価版の評価期間を延長するには

 

 Windows Server評価版はインストール後180日、Windows Serverを試用できます(ただし10日以内にMicrosoftによりオンラインで認証される必要があります)。この180日の評価期間が過ぎると、評価版ライセンスは有効期限切れとなり、起動してから1時間後に自動シャットダウンするようになり、事実上、評価できなくなります。例えば、毎月のWindows Updateに1時間以上かかってしまうと、更新を完了できません。

 Windows Server 2022以前の評価版では、この有効期限のリセット可能回数が最大6回(ちなみに製品版は1001回)あり、タイミングよくリセットを繰り返すことで、最大1260日(180日+180×6回、約3年半)の間、長期にわたって評価を継続することができました。

 残りのリセット可能回数(残りのWindows猶予期間リセット可能回数)は、コマンドプロンプト(またはPowerShellウィンドウ)でC:¥Windows¥System32に移動して、次のコマンドラインを実行することで確認ができます(画面1)。

 

C:¥Windows¥System32> cscript slmgr.vbs /dlv

 

画面1 Windows Server 2022以前の評価版のライセンスリセット可能回数は最大6回。リセットを繰り返すことで、最大1260日(180日+180×6回、約3年半)評価できた
画面1 Windows Server 2022以前の評価版のライセンスリセット可能回数は最大6回。リセットを繰り返すことで、最大1260日(180日+180×6回、約3年半)評価できた

 最近気付いたことですが、Windows Server 2025評価版のリセット可能回数は1回に変更されていました。少なくとも、リリース時に公開されたISOイメージ「26100.1742.240906-0331.ge_release_svc_refresh_SERVER_EVAL_x64FRE_ja-jp.iso」による新規インストールではそうなっています(画面2)。ちなみに、Windows 11 24H2 Enterprise 90日評価版(Evaluation)のリセット可能回数は2回で、以前から変更ありません。 

 

画面2 Windows Server 2025評価版のライセンスリセット可能回数は1回に減。リセットしても最大の評価期間は360日(180+180)
画面2 Windows Server 2025評価版のライセンスリセット可能回数は1回に減。リセットしても最大の評価期間は360日(180+180)

 残りのリセット可能回数が1回以上残っていれば、次のコマンドラインを実行して、OSを再起動することで、新たに次の180日の評価期間を得ることができます。

 

C:¥Windows¥System32> cscript slmgr.vbs /realm

C:¥Windows¥System32> shutdown /r /t 0

 

評価版を製品版に変換する

 

 Windows Server評価版は、エディションを切り替えて、正規のプロダクトキーを入力することで、製品版に変換することができます。製品版に変換することで、評価版で構築した環境を、破棄することなく、そのまま運用環境に移行できます。

 現在、実行中のエディションは、コマンドプロンプト(またはPowerShellウィンドウ)で次のコマンドラインを実行することで確認することができます。評価版を実行している場合は、「ServerStandardEval」「ServerDatacenterEval」「ServerStandardEvalCor」「ServerDatacenterEvalCor」のいずれかが返ってくるはずです。

 

C:¥> DISM /online /Get-CurrentEdition

 

 評価版を製品版に変換するには、コマンドプロンプト(またはPowerShellウィンドウ)で次のコマンドラインを実行して、ターゲットエディションと製品のプロダクトキーを入力し、OSを再起動します(画面3、画面4)。ただし、Windows Serverのどの評価版のどのエディションも、すべての製品版のすべてのエディションに変換できるわけではありません。 たとえば、Datacenter評価版は、Datacenter製品版にのみ変換でき、Standard製品版には変換できません。また、異なるインストールの種類(デスクトップエクスペリエンスとServer Coreインストール)への変換もできません。

 

C:¥> DISM /online /Set-Edition:<ターゲットエディション> /ProductKey:<プロダクトキー> /AcceptEula

 

ターゲットエディション 説明 変換元
ServerDatacenter Datacenter(デスクトップエクスペリエンス) ServerDatacenterEval、ServerStandardEval
ServerDatacenterCor Datacenter(Server Coreインストール) ServerDatacenterEvalCor、ServerStandardEvalCor
ServerStandard Standard(デスクトップエクスペリエンス) ServerStandardEval
ServerStandardCor Standard(Server Coreインストール) ServerStandardEvalCor

 

画面3 ターゲットエディションと製品のプロダクトキーを入力し、再起動する
画面3 ターゲットエディションと製品のプロダクトキーを入力し、再起動する

 

画面4 再起動が完了すると、評価版は製品版に切り替わった
画面4 再起動が完了すると、評価版は製品版に切り替わった

 

参考:

Windows Server アップグレード オプションと変換オプション|Windows Server(Microsoft Learn)

 

Windows Server 2025大特集(1)|...|メモ

 

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