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ITニュース. Sysinternals更新情報: RDCMan v3.0とSysmon 1.3.6 for Linux

2025年05月08日配信
2025年05月08日更新
執筆者:山内 和朗

 Windows SysinternalsはWindowsシステム管理やトラブルシューティングに役立つMicrosoft提供の無料のユーティリティ群です。そのため、このブログではSysinternalsの更新情報を随時提供しています。Sysinternalsのユーティリティの最新版はダウンロードサイトから直接入手できますが、Windows 10/11の場合はMicrosoft Storeから入手、更新することもできます。一部のツールはLinuxにも実装されており、OSS(オープンソールソフトウェア)として提供されています(注: Windows版のソースコードは非公開です)。

 

 Microsoftは2025年5月6日、SysinternalsファミリーのRDCManおよびSysmon for Linuxの更新バージョンをリリースしました。

 

データセンター管理やラボ環境に便利なRDManの最新版

 

 「Remote Desktop Connection Manager(RDCMan)」は、1つのツールで複数のリモートデスクトップ接続を管理するユーティリティです。RDCManでは、接続先を1つ以上のグループで管理し、各グループ内の接続先はグループから設定を継承できるため、例えば1つの資格情報で複数のマシンに簡単に接続することができます。グループ内のすべての接続先への同時接続や切断、サムネイル表示など、データセンターやラボ環境で複数のマシンに定期的に接続するような環境に便利です。

 リリースのアナウンスによると、最新のRDCMan v3.0では、Windows 11ターミナルサービスクライアント機能が実装され、シームレスなセッションのサイズ変更、キーボードによるナビゲーション、IPv6のサポート、最新の暗号化への対応など、セキュリティ機能の追加と品質の改善が行われているとのことです(画面1)。

RDCMan v3.0 and Sysmon 1.3.6 for Linux|Sysinternals Blog(Tech Community)
RDCMan v3.0|Sysinternals(Microsoft Learn)

画面1 最新のRDCMan v3.0。接続先は1つ前のRDMan v2.93(2023年7月27日リリース)
画面1 最新のRDCMan v3.0。接続先は1つ前のRDMan v2.93(2023年7月27日リリース)

 ちなみに、RDCManはもともと、スタンドアロンツールとして提供されていましたが、重大な脆弱性が見つかり、その問題が修正されることなく、2020年3月に公開が停止されました(画面2)。しかし、その後、RDCManはSysinternalsファミリーに加わり、脆弱性に対策したバージョンが2021年6月(v2.8)にリリースされ、複数回の更新を経て現在に至っています。Sysinternals版(v2.8以降)でない、RDCManの古いバージョンを利用している場合は、脆弱性があるためすぐに最新バージョンに移行してください。

Remote Desktop Connection Manager Information Disclosure Vulnerability(CVE-2020-0765)|セキュリティ更新プログラム(MSRC)

 

画面2 古いRDCManの脆弱性(CVE-2020-0765)。脆弱性を解消したバージョンはSysinternalsで提供。Sysinternalsかれ提供されている件については、日本語のページには反映されいないので注意
画面2 古いRDCManの脆弱性(CVE-2020-0765)。脆弱性を解消したバージョンはSysinternalsで提供。Sysinternalsから提供されている件については、日本語のページには反映されいないので注意

 

Sysmon 1.3.6 for LinuxはLinux kernel 6.11以降をサポート

 

 RRDCMan v3.0と同じ日に、「Sysmon for Linux」の更新バージョンもリリースされてます。「System Monitor(Sysmon)」は、デバイスドライバーとしてシステムに常駐し、システムの起動直後からプロセスやネットワーク接続(TCP/UDP)、ファイルI/Oのアクティビティを監視し、ログ(Windowsのイベントログ、Linuxの/var/log/syslog)に記録するユーティリティです。Sysmon for Linuxは、Windows SysinternalsのSysmon(最新はv15.15)をLinuxに実装したものです。最新のSysmon 1.3.6 for Linuxでは、kernel 6.11以降に対応しました(画面3)。

Sysmon 1.3.6|microsoft/SysmonForLinux(github)

 

画面3 UbuntuへのSysmon for Linuxのインストールと使用。インストール後の使用方法はWindows版Sysmonと同様
画面3 UbuntuへのSysmon for Linuxのインストールと使用。インストール後の使用方法はWindows版Sysmonと同様

 

参考:

Windows Sysinternals徹底解説 改訂新版|日経BOOKプラス(日経BP)
発行: 2017年6月5日、著者名: Mark Russinovich、Aaron Margosis(著)、山内 和朗 (訳)

 

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