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セイテクエンジニアのブログ かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ ITニュース. 無料のVMware VM変換ツール「VM Conversion tool」のパブリックプレビュー開始
2025年09月01日配信
執筆者:山内 和朗
Microsoftは、VMwareからHyper-Vへの無料の仮想マシン(VM)変換ツール「VM Conversion tool」のパブリックプレビュー提供を開始しました。このツールは、Windows Admin Center(v2)の拡張機能として提供され、簡単に導入でき、エージェントレスで機能するため、移行のためのインフラストラクチャが最小限で済むという利点があります。
Introducing the VM Conversion tool in Windows Admin Center – Public Preview|Windows Server News and Best Practices(Tech Community)
BroadcomによるVMwareの買収に端を発した混乱は、いまだ収束することなく続いているようです。そして、VMware製品を利用してきた顧客の中には、別の仮想化プラットフォームへの移行を検討し、実際に移行を進めているようです。Microsoftは、System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)やAzure Migrate、Azure VMware Solutionなど、VMwareからHyper-VやAzureのVM、あるいはAzureのマネージドVMware環境に移行するためのソリューションを用意しています。古くは、Microsoft Virtual Machine Converterという無料のスタンドアロンのVM変換ツールも提供していましたが、現在、Microsoft Virtual Machine Converterの提供とサポートは、2017年6月に終了しています。*1
*1 Microsoft Virtual Machine Converter (MVMC) is being retired|System Center Blog(Tech Community)
今回パブリックプレビューが開始された「VM Conversion」ツールは、かつてのMicrosoft Virtual Machine Converterと同様の位置付けにある、無料で利用できる手軽なツールです。VM Conversionツールは、無料のサーバー管理ツールである「Windows Admin Center(v2)」の拡張機能として、簡単に数分で導入できます(画面1)。
Windows Admin Center の使用を開始する|Windows Server(Microsoft Learn)
画面1 VM Conversionツール(プレビュー版)は、Windows Admin Center(v2)の拡張機能「VM Conversion(Preview)として簡単に追加できる
手元にVMware環境がないため実際に操作したわけではないですが、このツールはエージェント(SCVMMに必要)やアプライアンス(Azure Migrateに必要)を必要とせず、接続先のvCenter Serverから変換候補のVMを検出して、すぐに変換、移行を開始できます(画面2)。動作中のソースVMからの初期レプリケーション完了、ソースVMオフ、初期レプリケーション移行の差分の反映、宛先VMオンのプロセスによって、最小限のダウンタイムで移行することができるようです。詳しくは、以下の公式ドキュメントで確認してください。
Migrate VMware virtual machines to Hyper-V in Windows Admin Center (Preview)|Windows Server(Microsoft Learn)
画面2 ソースVMを管理しているvCenterに接続し、VMを検出して、変換(移行)を開始する
関連:
以下の連載記事では、当時既に利用できなくなっていた「Microsoft Virtual Machine Converter」など、専用の変換/移行ツールを使わない方法を紹介しました。
メモ. 手間はかかるが金いらずのV2V: VMwareのWindows VMをHyper-Vへ (その1)|(その2)
メモ. 手間はかかるが金いらずのV2V: VMwareのLinux VMをHyper-Vへ (その1)|(その2)