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vol.93 製品版ライセンスの購入|はじめてのIntune(4)

2025年03月21日配信
2025年04月23日更新
執筆者:山内 和朗

 前回(vol.91)は、Intune 30日試用版をサインアップして、新たにMicrosoft Entra ID(以下、Entra ID)のテナントを作成し、グローバル管理者のIDを取得しました。この試用版はテナント取得のためにサインアップしたものです。IntuneのWindows更新プログラム管理機能を評価するために、製品版ライセンスを購入することが決まっているため、この試用版は使用することなく、ライセンス購入へと進みます。

 

 なお、製品サービス購入の判断ができていない場合や、単に評価してみたいといった場合には、Entra ID P1試用版(Entra ID P1 Trial、マーケットプレースから取得可能)など必要な試用版ライセンスと組み合わせて、Intune試用版でこのまま評価することができます。

 

管理者に割り当てられたIntune試用版ライセンスを解除する

 

 前回、Intune試用版をサインアップしたことで、テナントのグローバル管理者である最初のユーザーにはIntune試用版のライセンスが1つ割り当てられているはずです。今回、Intune試用版は使用せず、製品版ライセンスを購入に進みたいと思います。その前に、最初のユーザー(グローバル管理者)に割り当てられたIntune試用版のライセンスの割り当てを解除しておきましょう。それには、「Microsoft 365管理センター」の「ユーザー > アクティブなユーザー」からユーザーのプロパティページを開き、「ライセンスとアプリ」タブで「Intune」ライセンスのチェックを外して、「変更の保存」ボタンをクリックします。または、「課金情報 > ライセンス」を開き、「Intune」ライセンスのプロパティページを開いて、割り当てられたユーザーを選択し、「ライセンスの割り当て解除」を実行します。


 なお、試用版、製品版に限らず、グローバル管理者にはIntuneのライセンスを割り当てる必要はありません。ライセンスコストを節約するためにも、不必要なライセンスは割り当て解除しておきましょう。ただし、Entra ID P1/P2など他のライセンスについては、管理者にもライセンスの割り当てが必要になるケースがあるようです。

ライセンスのない管理者|Microsoft Intune(Microsoft Learn)

 

画面1 Intune試用版のライセンスの割り当てを解除する。試用版、製品版に関係なく、Intune管理者には、Intuneライセンスの割り当ては不要

画面1 Intune試用版のライセンスの割り当てを解除する。試用版、製品版に関係なく、Intune管理者には、Intuneライセンスの割り当ては不要

 

マーケットプレースから必要なライセンスを購入する

 

 前々回(vol.89)に検討したように、Windowsの更新プログラム管理のためにはIntune P1以上、Entra ID P1以上、およびWindows 10/11 Enterprise E3以上のライセンスが必要になります。今回のケース、つまりこれまでMicrosoftのクラウドサービスを使用していなかった初めてのMicrosoft IDテナントで、Microsoft 365を使用する予定がないEntra 場合、製品ライセンスを個別に購入するよりも、「Enterprise Mobility + Security E3」を購入したほうが安く済みます。


 既に利用可能なテナントがあれば、Microsoft 365管理センターの「マーケットプレース」を使用して、Microsoftから直接ライセンスを購入することが簡単にできます。「マーケットプレース」ではたくさんの製品やサービスのリストから選択して購入することができますが、「すべての製品」のカテゴリ別リストや、フィルター(検索)を利用することで、目的の製品(今回は「Enterprise Mobility + Security E3」)を見つけて、購入に進むことができます(画面2、画面3)。

 

画面2 「Enterprise Mobility + Security E3」は「セキュリティ」カテゴリに見つかる
画面2 「Enterprise Mobility + Security E3」は「セキュリティ」カテゴリに見つかる

 

画面3 ライセンス数と月または年払いを選択して、購入手続きに進む
画面3 ライセンス数と月または年払いを選択して、購入手続きに進む

 Windows 10/11 Enterprise E3またはE5は、ボリュームライセンス製品として購入できる他、Microsoft 365/Windows 365プランの一部として導入することもできます。小規模な評価で利用するなら、「マーケットプレース」で1ライセンス単位から購入することが可能です。今回は評価環境用に、「Enterprise Mobility + Security E3」と「Windows 10/11 Enterprise E3」を各3ライセンス購入しました(画面4)。なお、画面2の「Windows」カテゴリにある「Windows 10 Enterprise E3」(年単位の購入、月または年払い)は日本語訳が古いようです。Mirosoft 365管理センターの言語を英語表示に切り替えると、同一価格で「Windows 10/11 Enterprise E3」と表示されます。この他、Windows Enterpriseには月単位での購入(Month to Month)も可能です。

 

画面4 Enterprise Mobility + Security E3とWindows 10/11 Enterprise E3のライセンス(日本語環境は製品名が「Windows 10 Enterprise E3」と誤表示されるようだ)を購入

画面4 Enterprise Mobility + Security E3とWindows 10/11 Enterprise E3のライセンス(日本語環境は製品名が「Windows 10 Enterprise E3」と誤表示されるようだ)を購入。Intune試用版ライセンスは期限までにサブスクリプションのキャンセルを行う 

 

 Enterprise Mobility + Security E3とWindows 10/11 Enterprise E3の各3ライセンスにより、最大3ユーザー、最大15台(5台*1 ×3ユーザー)までのWindows 10/11 Enterpriseデバイスを、Intuneを使用して管理することができます。

 

*1 Windows 10/11 Enterprise E3のライセンスを持つユーザーは、ユーザーごとに5つのWindowsインスタンス(Windowsデバイス、Windows 365クラウドPC、およびWindows 10/11 Enterprise LTSC)を同時に使用する権利があります。→ Windows 商用ライセンスの概要|Windows(Microsoft Learn)

 

この時点でテナントのEntra ID FreeはEntra ID P1に!

 

 今後、購入したライセンスを用いて、検証のため小規模ですが、オンプレミスのWindows 10/11デバイスの更新をIntuneで管理していきたいと思いますが、この時点ではまだユーザーにライセンスを割り当てていません。

 

 Intune試用版のサインアップによりEntra ID Freeプランでテナントが用意されましたが、Microsoft Entra管理センター(https://entra.microsoft.com/)のホームを確認してみたところ、この時点でEntra ID P1ライセンスにアップグレードされていました(画面5)。Entra ID P1は、Windows Autopatchでオンプレミスのドメイン参加デバイスを管理するために(Entra (ID) ハイブリッド参加のために)必須になります。

 

画面5 (Entra ID P1を含む)Enterprise Mobility + Security E3ライセンスの購入により、EntraテナントがEntra ID P1ライセンスにアップグレードされた

画面5 (Entra ID P1を含む)Enterprise Mobility + Security E3ライセンスの購入により、EntraテナントがEntra ID P1ライセンスにアップグレードされた

 

はじめてのIntune(1)(2)(3)|(4)

 

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