フォーマットの乱立、減らない工数……
サーバー設定仕様書の現場が抱える課題を解決した「SSD-assistance」
ICTインフラの構築・サポートを行うレイコムは、日常的に発生するサーバー構築業務における「サーバー設定仕様書の作成」にさまざまな課題を抱えていた。
その課題を解決するためにセイ・テクノロジーズが提供するサーバー設定仕様書自動生成サービス「SSD-assistance」を導入。導入後の実際の変化と、発生した"想定していなかった副次的なメリット"とは——?
自社有償サービス契約への
ドアノックツールとして活用
代表取締役 塚本 豊 氏 |
レイコムは、現代社会に欠かすことのできない「ICTインフラ」の構築とサポートに特化したエンジニア集団だ。専門のIT担当者を置けない企業の情報システム部門を代行する「ひとり情シス代行サービス」、新規サーバー構築からやクライアント設定などICTシステムを効率的に活用するための支援を行う「ITインフラ構築サービス」などを提供し、中小企業から大手企業まで幅広く顧客を抱えている。サービスを導入した企業は専門家にIT領域を任せることで本来の仕事に専念できるため、昨今、多くの経営者に問われている「働き方 改革」の実現も可能になる。 ▲ 構築から、導入後の運用管理までトータルなサービス |
サーバー構築がメイン業務であるレイコム は、ハードウェア、OS、アプリケーションなどの構成情報をまとめた「サーバー設定仕様書」を作成する仕事が日常的に発生している。その領域で課題を抱えていたと同社松尾氏は振り返る。「弊社の社員が担当する企業ごと に各自で仕様書のフォーマットから作成してい たため、様式や記載項目が全く統一されておらず、どの情報を取得するかはエンジニアのスキルレベルに依存していました。結果、“A社の仕様書にはこの項目があるがB社にはない”という状況が生まれ、それにより顧客からサーバーについて質問されたときに仕様書に記載がなくて返答が遅れるなどのトラブルが発生することもありました。漠然と属人化していた仕様書のフォーマットを統一することはできないかと考えていました」。
さらに、サーバー設定仕様書の作成には時間がかかるという課題もある。サーバーの設定仕様書を1台分作成するだけでも1~3時 間を要するうえ、エンジニアはほぼかかりきりで作業を行うことになる。そのため台数が増えれば作業時間も増え、サーバー設定仕様書の作成に多くの時間を費やしていた。「率直に言えば、サーバー設定仕様書作成で“楽になりたい”という気持ちでした」。 (松尾氏)
このようなレイコムをはじめとするサーバー構築を行う企業が抱える現場のリアルな課題を解決するため、セイ・テクノロジーズが長年にわたるサーバー監視製品ベンダーとしての経験で培ったWindowsからの情報取得に関する技術を用いて開発したのが、サーバー設定仕様書自動生成サービス「SSD-assistance」だ。
同社はレイコムを初め、多くの企業からヒアリングを実施し、「サーバー設定仕様書の作成には時間がかかる」、「フォーマットが標準化されていない」、「一生懸命仕様書を作成ても収益につながらない」等、サーバー設定仕様書にまつわるもろもろの課題から現場担当者を解放したいという思いで、2018年から「SSD-assistance」を提供している。
技術グループ ゼネラルマネージャー 松尾 光一 氏 |
「SSD-assistance」 は、サーバー設定仕様書を3ステップで作成するクラウドサービスだ。情報を取得したいサーバーでセイ・テクノロジーズ社提供の「サーバー情報取得ツール」を実行し、出力されたZIPファイルを専用ウェブサイトにアップロードすると、暗号化されたExcel形式のサーバー設定仕様書がメールで届く。WindowsおよびLinuxのOSで利用することができて、どちらのOSでも同じフォーマットで自動作成される。導入期間が不要というところも大きな特徴で、「ユーザー登録が完了すればすぐに利用可能なので、利用したいと思ってから30分後には使えるのも 魅力ですね。事前にレクチャーを受ける必要もなく、ツールをサーバーで実行して数分待つ だけです」。(松尾氏) |
設立 | 2001年 6月 |
資本金 | 1,000万円 |
業種 | ICT インフラの構築 & サポート |
事業概要 | コンピュータ及びネットワークに関わるインフラ構築、情シス部門様向け支援サービス、エンドユーザー様向けサポート |
ホームページURL | https://www.laycom.co.jp/ |
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