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サーバー設定仕様書のプロセッサ数と合計コア数について-SSD-assistance FAQ(仮)

2024年12月25日配信
執筆者:セイ・テクノロジーズ エバンジェリスト

 「SSD-assistance」を使用する上での、よくあるお問い合わせ問い合わせについて、不定期で詳しく解説します。製品に関するよくある問い合わせについては、こちらでご確認ください。製品のサポート技術情報については、こちらで検索することができます。

 

Q. サーバー設定仕様書のシステムの合計コア数が、情報採取元のWindowsサーバーと一致しないのはなぜですか?

 

 Windows用「サーバー設定仕様書」の「システム設定」シートにある「合計コア数」が、情報を採取したサーバーのコア数と一致しないケースがあります。SSD-assistanceの不具合ではないでしょうか?
 

A. SSD-assistanceが採取する「プロセッサ数」と「合計コア数」は、“ソケット”に装着された物理プロセッサ(CPU)の数と、システム全体の“コア”の数です。

 

 SSD-assistanceは、採取元のWindowsサーバーから、“ソケット”に装着された物理プロセッサ(CPU)の数と、システム全体の“コア”の数を取得し、「サーバー設定仕様書」の「システム設定」シートの「プロセッサ数」および「合計コア数」に反映させています。

 ソケットとは、マザーボード上の物理コネクターであり、シングルソケットのシステムは物理プロセッサ(CPU)を1つ接続できます。マルチソケットのシステムは1つ以上のCPUを接続できる能力があります(ソケットが空いている構成もあり得ます)。近年、CPUのマルチコア化、メニーコア化が進みました。1つの物理CPUで複数のコア(CPUの処理単位)を備えることで、シングルコアと比べて1つの物理CPUの処理能力は大幅に高まっています。SSD-assistanceが採取する「合計コア数」は、システム全体(すべての物理CPU)の(物理)コアの数です。

 

 1つの物理コアでは、同時に複数の命令を実行する「スレッド」と呼ばれる機能があります。Intelのハイパースレッディング、AMDの同時実行マルチスレッドがこの機能に相当します。Windowsでは、これを物理コアと区別するために、「論理プロセッサ」や「論理コア」と呼んでいます。マルチスレッド機能が無効な場合、「コア数=論理プロセッサ数」ですが、有効な場合は、「コア数×2=論理プロセッサ数」になります。SSD-assistanceでは、「論理プロセッサ」の数を取得していません。

 「(物理)プロセッサ」「(物理)コア」「論理プロセッサ」の数は、「タスクマネージャー」(Taskmgr.exe)の「パフォーマンス」タブで「CPU」を選択したときにグラフの下に表示される「ソケット:」「コア:」「論理プロセッサ数:」から確認することができます。「(物理)コア」「論理プロセッサ」の数については、「システム情報」(Msinfo32.exe)ツールの「システムの要約」にある「プロセッサ項目」の「コア」と「ロジカルプロセッサ」で確認することができます(画面1)。

 

画面1
画面1 「サーバー設定仕様書」の「プロセッサ数」と「合計コア数」は、ソケットに接続された物理プロセッサ(CPU)の数(赤で囲んだ部分)と、システム全体の(物理)コア数(緑で囲んだ部分)

 

 SSD-assistanceの情報採取ツールは、WMI(Windows Management Instrumentation)を介して「Win32_ComputerSystem」クラスの「NumberOfProcessors」プロパティと、「Win32_Processor 」クラスの「NumberOfCores」プロパティを取得し、その合計値を「プロセッサ数」と「合計コア数」にしています。PowerShellで次の2つのコマンドラインを実行すると、同じ情報(実行結果のSum: 値)を得ることができます(画面2)。ちなみに、論理プロセッサ数は「Win32_Processor」クラスの「NumberOfLogicalProcessors」プロパティから取得できますが、SSD-assistanceはその情報を取得していません。

 

PS C:¥> Get-CimInstance Win32_ComputerSystem | Measure-Object -Property NumberOfProcessors -Sum
PS C:¥> Get-CimInstance Win32_Processor | Measure-Object -Property NumberOfCores -Sum

 

画面2
画面2 PowerShellのGet-CimInstance(またはGet-WmiObject)を使用して、SSD-assistanceが収集しているのと同じ値を取得できる

 仮想マシン(VM)には、VMごとにホストから「仮想プロセッサ(vCPU)」を割り当てることができますが、この「仮想プロセッサ」の数との混同にも注意してください。例えば、Hyper-VでVMに割り当てた仮想プロセッサの数は、必ずしもゲストOS側で認識されるプロセッサ/コアの数とは一致するわけではありません(画面3)。ゲストOSでのプロセッサ処理は、最終的にホスト上のコア/スレッド上にスケジューリングされるため、ホスト環境のプロセッサ構成の影響を受けます。プロセッサモデルはホストのプロセッサの情報がそのままゲストOSに公開され、ゲストから見たコア数や論理プロセッサ数はホストの上限に縛られます。例えば、Hyper-Vではホストの論理プロセッサ数を超えた数の仮想プロセッサをVMに割り当てることはできません。

 

画面3
画面3 VMに8個の仮想プロセッサを割り当てたところ、「サーバー設定仕様書」では「プロセッサ数: 1」「合計コア数: 4」と報告されている

 Hyper-VのVMに割り当てられている仮想プロセッサについては、SSD-assistanceの「Hyper-Vホスト設定仕様書」デザインを利用してください。「Hyper-V仮想マシン」シートに「仮想プロセッサの数」として報告されます(画面4)。

 

画面4
画面4 Hyper-V VMに割り当てた仮想プロセッサの数については、SSD-assistanceの「Hyper-Vホスト設定仕様書」デザインで取得することができる

関連情報:
Hyper-V 上の仮想 Windows OS 環境における、Windows サーバー設定仕様書【基本設定】デザインの「プロセッサ数」、「合計コア数」の値について|セイ・テクノロジーズ サポート技術情報
Linux 設定仕様書におけるプロセッサー数やコア数の計算方法について|セイ・テクノロジーズ サポート技術情報

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