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メモ. Azure VMのWindows Server 2025を日本語化するとSysprepに失敗する|Windowsトラブル解決

2025年01月07日配信
執筆者:山内 和朗

 Azureには一般化したWindowsやLinuxイメージを格納するための「Azure Compute Gallery」があります。Azure MarketplaceのWindowsイメージは英語版(en-us)です。そのイメージを日本語化して一般化すれば、Azure Compute Galleryから日本語環境のVMを次々にデプロイできて便利です。しかし、このブログ購読者の方からのコメントで知ったのですが、Azure VMにデプロイしたWindows Server 2025英語版を、従来の方法で日本語化すると、「システム準備ツール(Sysprep)」によるイメージの一般化に失敗することを確認しました。試行錯誤の結果、1つの回避策を見出したので共有します。

 

回避策は「設定/Settings」アプリで「日本語」を追加しないこと

 

 この連載の以下の回では、Azure VMにWindows Server 2025をデプロイして、日本語化する方法について説明しました。その後のメモでは、「サーバーマネージャー」など一部日本語化されない問題を、オフラインインストール用の言語パックをインストールすることで日本語化する方法について説明しました。

vol.65 Windows Server 2025をAzureで評価する|Windows Server 2025大特集(2)
メモ. Azure VMのWindows Server 2025日本語化問題を自分で何とかする|Windowsトラブル解決

 どちらの方法で日本語化した場合も、Sysprepを実行して一般化(汎用化)しようとすると、実行直後に「SysprepでWindowsのインストールを検証できませんでした」と表示されます。ログを確認すると、「設定/Settings」アプリによりダウンロード/インストールされた日本語の言語に関係するストアアプリがインストールされていることが原因のように見えます(画面1)。

 「設定」アプリで言語を「英語(en-us)」に戻し、日本語を削除すると、Sysprepは問題なく成功します。また、オンプレミスで新規インストールしたWindows Server 2025日本語版(ローカライズ版)では、Sysprepの検証エラーは発生しません。

 

画面1
画面1 Windows Server 2025英語版のAzure VMに「設定」アプリで表示言語「日本語」を追加して切り替えると、その後のSysprepはエラーで失敗する

 試しに、「Settings」アプリの「Language & region」の「Add a language」を使用せずに、Windows標準の「Lpksetup.exe」(言語パックインストーラー)を使用して、オフラインインストール用の日本語言語パック「Microsoft-Windows-Server-Language-Pack_x64_ja-jp.cab」をインストールしてみました。その後、「Settings」アプリの「Language & region」にある「Windows display language」を「English(United States)」から「日本語」に変更し、日本語表示に切り替えたところ、Sysprepを実行しても検証エラーが発生しないことがわかりました(画面2、画面3)。既に検証エラーが発生している場合は、「設定/Settings」アプリから「日本語」を削除してから、日本語言語パックをインストールすることで、同様に問題を回避できるはずです。

 

画面2
画面2 「Settings」アプリの「Add a language」で日本語を追加するのではなく、オフラインインストール用の言語パックから日本語言語パックをインストールする

 

画面3
画面3 言語パックをインストールしたら、「Settings」アプリの「Windows display language」を「日本語(日本)」に変更する

 なお、私の環境では言語パックインストール後に日本語表示に切り替えても、「設定/Settings」アプリが英語表示のままで、しかも、「Windows Update」など一部のUIが乱れる(「Check for updates/更新プログラムのチェック」ボタンが表示されない)状況を確認しました。この状況は、「Sconfig」ユーティリティの「6) 更新プログラムのインストール」を使用して、検出された最新の累積的な更新プログラムをインストールし、再起動することで解消されました(画面4)。

 

画面4
画面4 「設定/Settings」アプリが日本語表示にならない問題は、最新の累積的な更新プログラムをインストールすることで解消された

 

Windows Server 2025の日本語化・一般化イメージをAzure Compute Gallalyに作成する

 

 WindowsやLinuxのAzure VMをデプロイして、一般化(汎用化)し、Azure Compute Galleryに格納する手順については以下のドキュメントで説明されています。Windows Server 2025の日本語化をその手順に含める形で説明します。

ポータルで VM のイメージを作成する|Azure Virtual Machines(Microsoft Learn)

 vol.65の手順に従って、表示言語、ようこそ画面と新しいユーザーアカウントの言語、システムロケールを日本語化します。ただし、表示言語の切り替えについては、今説明したようにオフラインインストール用の言語パックを使用してください。これにより、Sysprepが失敗する問題を回避できます。

 日本語化以外のカスタマイズがあれば、済ませておきます。一般化の準備ができたら、コマンドプロンプト(管理者)を開いて、以下のコマンドラインを実行します。Sysprepでエラーが発生しなければ、VMはシャットダウンされ「停止済み」状態になります。

 

C:¥> rd C:¥Windows¥Panther /S
C:¥> reg add HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Services¥cdrom /v start /t REG_DWORD /d 1 /f
C:¥>  cd C:¥Windows¥System32¥Sysprep
C:¥Windows¥System32¥Sysprep> sysprep /oobe /generalize /shutdown

プレーンテキストで表示


 VMが停止されたら、AzureポータルからAzure Cloud Shellを開き、次のコマンドラインを実行して、VMを一般化済み(Generalized)としてマークします。

 

PS /home/yourname> Set-AzVm -ResourceGroupName <リソースグループ名> -Name <VM名> -Generalized


 AzureポータルのVMの「概要」ページの上部にある「キャプチャ > イメージ」を選択します(画面5)。

 

画面5
画面5 停止したVMを一般化済みとしてマークし、イメージのキャプチャを開始する

 「イメージの作成」が表示されるので、リソースグループを選択して、「はい、ギャラリーにVMイメージバージョンとして共有します」を選択し、「イメージの作成後、この仮想マシンを自動的に削除します」をチェックします。「ギャラリーの詳細」として、Azure Compute Galleryを選択または新規作成し、オペレーティングシステムの状態「汎用化」を選択して、「カスタムVMイメージ定義」を作成します。最後に、「バージョンの詳細」を適宜設定して、「確認および作成」をクリックします(画面6)。

 

画面6
画面6 一般化したイメージをAzure Compute Galleryを選択または新規作成して格納する(元のVMは削除される)

 Azure Compute Galleryに格納された一般化(汎用化)イメージは、Azure VMと同じ方法でデプロイすることができます。それには、Azure Compute GalleryのギャラリーのVMイメージバージョンから「+VMの作成」を選択するか、「仮想マシンの作成」の「イメージ」で「すべてのイメージを表示」をクリックし、「イメージの選択|その他のアイテム|共有イメージ」からイメージを選択してデプロイします(画面7)。

 

画面7
画面7 Azure Compute GalleryのVMイメージバージョンからVMを作成してデプロイすると、最初から日本語化されたWindows Server 2025のVMを作成できる

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