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セイテクエンジニアのブログ  かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ  vol.65 Windows Server 2025をAzureで評価する|Windows Server 2025大特集(2)

 

 

vol.65 Windows Server 2025をAzureで評価する|Windows Server 2025大特集(2)

2024年12月02日配信
2025年04月22日更新
執筆者:山内 和朗

 2024年11月1日(米国時間)の「Windows Server 2025」の一般提供開始と同時に、AzureでWindows Server 2025の仮想マシン(VM)イメージが利用可能になりました。Azureなら、VMイメージをデプロイするだけで、すぐにWindows Server 2025の試用/利用を開始できます。

 

クラウド(Azure)で最新サーバーOSを体験する

 

 Azureサブスクリプションが利用可能な場合は、評価版や製品版のインストールメディア(ISOイメージ)のダウンロードに時間を取られることなく、物理ハードウェアを用意することなく、すぐに最新サーバーOSの試用/利用を開始することができます。Azureサブスクリプションを利用可能でない場合でも、無料アカウントを作成することで上限200米ドルまでのAzureクレジットを30日間無料で利用することができます。

Azureの無料アカウントを作成するか、プリペイドで支払う|Microsoft Azure(Microsoft)

 Windows Server 2025のVMイメージは、Azure Marketplaceの「Windows Server」オファーのプランから利用可能です(画面1)。Windows Server 2025のプランとしては、以下の8つのイメージが用意されています。

 

  • Windows Server 2025 Datacenter
  • Windows Server 2025 Datacenter Server Core
  • Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition
  • Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition Core
  • [smalldisk] Windows Server 2025 Datacenter
  • [smalldisk] Windows Server 2025 Datacenter Server Core
  • [smalldisk] Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition
  • [smalldisk] Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition Core

 

画面1 Azure Marketplaceの「Windows Server」オファーでWindows Server 2025のプランを選択する

画面1 Azure Marketplaceの「Windows Server」オファーでWindows Server 2025のプランを選択する

 

 簡単に説明すると、「Windows Server 2025 Datacenter」と「Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition」の2種類のエディション、デスクトップエクスペリエンスとServer Coreインストール(Coreが付くプラン)、OSディスクサイズ(標準の128GBか、[smalldisk]の30GBか)の組み合わせです。OSディスクを64GBにすることもできます。それには、[smalldisk]イメージを64GBのディスクにデプロイして、デプロイ後にC:ドライブのパーティションを拡張します。

 

 「Datacenter: Azure Edition」は、AzureやAzure Stack HCIのVMに最適化されたエディションであり、Windows Server 2025 Datacenterの機能に加えて、「ホットパッチ」「SMB over QUIC」「データ転送用の記憶域レプリカ圧縮」「Azure用拡張ネットワーク」の機能が提供されます。このうち、SMB over QUICについては、Windows Server 2025 StandardとDatacenterでもサポートされるようになりました。また、ホットパッチについては、Azure Arc経由でWindows Server 2025 StandardとDatacenterがサポート(ただしプレビュー)されます(今後の連載で取り上げる予定です)。

Azure Edition for Windows Server とは|Windows Server(Microsoft Learn)


 Azure VMのデプロイについては、[smalldisk]イメージの30GBから64GBへの拡張を含め、この連載の「ラボ環境 on Azureを作る」シリーズでも詳しく説明しましたので省略しますが、リソースグループやリージョン(場所)、VMのサイズ、管理者のユーザー名/パスワードなどを設定してデプロイすれば、数分でWindows Server 2025のVMが利用可能になります。

 

画面2 Windows Server 2025のイメージをデプロイすれば、数分でリモートデスクトップ接続して利用できるようになる
画面2 Windows Server 2025のイメージをデプロイすれば、数分でリモートデスクトップ接続して利用できるようになる

 

 

Windows Server 2025デスクトップエクスペリエンスの日本語化

 

 デプロイから数分で利用可能になるのは、Windows Server 2025英語版(en-us)の環境です。デスクトップエクスペリエンスの場合は、言語パックを追加インストールして、表示言語やロケールなどを変更することで、GUIを日本語化することができます。英語環境の日本語化についても、「ラボ環境 on Azureを作る」シリーズで説明しましたが、UIが変更されている部分もあるため、Windows Server 2025での手順を説明します。

 

  1. Windows Server 2025を実行するAzure VMに管理者ユーザーでリモートデスクトップ接続したら、「Settings」を開き、「Time & language」の「Language & region」を開いて、「Add a language」をクリックします。

  2.  「Choose a language to install」の検索ボックスに“Japanese”と入力すると、「日本語/Japanese」が検索結果に表示されます。「日本語/Japanese」を選択して、「Next」をクリックします。

  3.  「Install language features」の画面で「Set as my Windows display language」をチェックし、「Install」をクリックします。

    画面3 「Install language features」の画面で「Set as my Windows display language」をチェックし、「Install」をクリック

  4. 言語パックと関連機能のダウンロードとインストールが行われます。インストールが完了したら、「Sign out」をクリックしてサインアウトし、リモートデスクトップ接続をいったん終了します。

  5.  Azure VMに再びリモートデスクトップ接続でサインインし、デスクトップの「ごみ箱」アイコンや「設定」アプリの表示やスタートを開いて、表示言語が日本語に切り替わったことを確認します。

  6. 「設定」の「時刻と言語|言語と地域」を開き、「国または地域」を「米国」から「日本」に変更し、地域設定を「英語(米国)」から「日本語(日本)」に変更します。

    画面4 国または地域」を「米国」から「日本」に変更し、地域設定を「英語(米国)」から「日本語(日本)」に変更

  7. 「地域と言語|日付と時刻」に切り替え、タイムゾーンを「(UTC)協定世界時」から「(UTC+09:00)大阪、札幌、東京」に変更します。

    画面5 タイムゾーンを「(UTC)協定世界時」から「(UTC+09:00)大阪、札幌、東京」に変更

  8. ここからの設定はオプションです。「時刻と言語|地域と言語」の「関連設定」の下にある「管理用の言語の設定」をクリックします。

  9. 「地域」ダイアログボックス(intl.cpl)が開くので、「管理」タブに切り替え、「ようこそ画面と新しいユーザーアカウント」にある「設定のコピー」をクリックします。

  10. 「ようこそ画面と新しいユーザーアカウントの設定」ダイアログボックスが開くので、「ようこそ画面とシステムアカウント」と「新しいユーザーアカウント」の2つのチェックボックスを選択して、「OK」ボタンをクリックします。「表示言語の変更」ダイアログボックスが表示され、再起動が要求されますが、ここでは「後で」をクリックして閉じます。ちなみに、Windows Server 2022ではこのボタンは「後日」でした。

    画面6 「ようこそ画面とシステムアカウント」と「新しいユーザーアカウント」の2つのチェックボックスを選択

  11. 最後に、「地域」ダイアログボックスの「管理」タブの「Unicode対応ではないプログラムの現在の言語」にある「システム ロケールの変更」をクリックします。「現在のシステムロケール」を「英語(米国)」からWindows日本語版の既定である「日本語(日本)」に変更し、「OK」をクリックします。「システムロケール変更」ダイアログボックスが出現し再起動を要求されるので、「今すぐ再起動」をクリックして、Azure VMを再起動します。

    画面7 「現在のシステムロケール」を「英語(米国)」から「日本語(日本)」に変更し、再起動

 

日本語化後も一部に残る英語のUI(未解決)

 

 2024年11月のVMイメージをデプロイした環境を日本語化した場合、「サーバーマネージャー」や一部のMicrosoft管理コンソール(MMC)スナップインのUIが英語のまま残るという問題を確認しています。ローカルのHyper-V VM環境にWindows Server 2025英語版(en-us)を新規インストールし、上記と同じ手順で日本語化した場合は、「サーバーマネージャー」を含めてすべて問題なく日本語化されました。

 

画面8 従来の方法で日本語化すると、「サーバーマネージャーや一部のMMCスナップインが日本語化されない

(「サーバーマネージャーや一部のMMCスナップインが日本語化されない)

 

 この問題は、2024年11月1日(米国時間)に提供されたOSビルド26100.2033のイメージ、および2024年11月12日(米国時間)にリリースされたOSビルド26100.2314のイメージをデプロイしたAzure VMの両方で確認しています。OSビルド26100.2033のイメージでデプロイしたAzure VMに11月の品質更新プログラム(KB5046617、OSビルド26100.2314)にインストールしても、この問題は解消されませんでした。ちなみに、Hyper-V VMでWindows Server 2025英語版を日本語化した環境には「サーバーマネージャー」の日本語言語リソースとして「C:¥Windows¥System32¥ja¥ServerManager.resources.dll」が存在しますが、Azure VMで日本語化した問題の環境には「C:¥Windows¥System32¥ja」のディレクトリ自体が存在しませんでした。Windows SysinternalsのProcess Monitor(→Microsoft Learn)を使用して「サーバーマネージャー」開始時のイベントをキャプチャすると、このdllを参照しようとして「PATH NOT FOUND」となっていました。これはAzure提供のWindows Server 2025イメージの問題だと思います。

 

12/5 追記)この問題の回避策についてはこちらをご覧ください。→ 「メモ. Azure VMのWindows Server 2025日本語化問題を自分で何とかする

12/6 追記) Azure VMのWindows Server 2025を日本語化した場合、VMイメージを汎用化するためのシステム準備ツール(Sysprep)が失敗するようになる現象を確認しています。言語を追加する前の英語環境では、Sysprepは通常通り成功します。

12/9 追記) 「設定」アプリで日本語を追加せず(追加した場合は削除したあと)、Lpksetup.exeで言語パックをインストール(12/5の追記参照)して日本語に切り替えた環境では、Sysprepが成功することを確認しました。

 

Windows Server 2025大特集(1)|(2)

 

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