
かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ
セイテクエンジニアのブログ かつて山市良と呼ばれたおじさんのブログ ITニュース. Windows Server 2025向け2025年9月の累積更新で、レガシOSの更新に影響するWSUSの変更あり
2025年09月11日配信
執筆者:山内 和朗
Windows Server 2025ではWindows Server Update Services(WSUS)が開発中止機能(非推奨機能)になりました。Windows Server 2025でWSUSは引き続き利用でき、WSUSに依存するMicrosoft Configuration ManagerでもWindows Server 2025のWSUSは利用できます。しかし、今後、新機能が追加されることはありません。一方で、2025年9月の品質更新プログラム(2025-09 B)において、WSUSにレガシOSの更新に影響する(更新を阻む)重要な変更が行われました。
Microsoftは2025年9月9日(米国時間)、WSUSセキュリティ強化の変更に関する以下のサポート情報を公開しました。
Windows Server 2025 のWindows Server Update Servicesの変更を強化する|サポート(Microsoft)
WSUSを実行するWindows Server 2025に、2025年9月の品質更新プログラム「KB5065426(OSビルド26100.6584)」をインストールすると、WSUSからサポートされなくなった古いコードへの依存環境が削除されます。この変更は、サポート終了(EOS)に達したWindowsオペレーティングシステム(OS)の更新に影響します。つまり、Windows 8.1以前およびWindows Server 2012 R2以前のマシンは、WSUSから更新を受け取れなくなる可能性があります。Windows 10以降およびWindows Server 2016以降には影響しません。
Microsoftによると、今回のWSUSに対する変更は、今日の急速に進化するデジタル環境における、組織全体のコンプライアンスとセキュリティを維持するというMicrosoftのコミットメントの一環ということです。
拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を受け取ることができるWindows Server 2012/2012 R2には、セキュリティ更新プログラムが2026年10月13日(ESU Year 3の終了日)まで提供されますが、今回のWSUSの変更の影響でESUのセキュリティ更新のインストールが妨げられてしまいます。
ESUの対象のWindows Server 2012/2012 R2など、今回のWSUSの変更の影響を受けるレガシなWindows OSで引き続きWSUSの更新サービスを利用可能にするには、2025年8月の品質更新プログラム以前のWindows Server 2025のWSUS、またはWindows Server 2022以前のWSUSから、「%SYSTEMDRIVE%¥Program Files¥Update Services」にある「SelfUpdate」フォルダーを、2025年9月の品質更新プログラム以降のWindows Server 2025のWSUSの同じ場所にコピーします(画面1)。また、「インターネットインフォメーションサービス(IIS)マネージャー」を使用して、「WSUSの管理」の下に仮想「Selfupdate」が存在し、その物理パスがコピーして復元した「SelfUpdate」フォルダーのパスになっていることを確認します(仮想ディレクトリがなければ作成します)。
2025年8月の品質更新プログラム以前のWindows Server 2025のWSUS、またはWindows Server 2022以前のWSUSが利用できない場合は、対応が難しいかもしれません。バックアップから復元するか、別のマシンにWSUSをセットアップしてコピーするなどしてください。
画面1 Windows Server 2025の2025-09 Bの更新プログラムにより、古いOSをサポートするためのバイナリなどを含むWSUSの「SelfUpdate」フォルダーが削除された
2025年9月の品質更新プログラム(2025-09 B、Windows 11向けKB5065426、Windows Server 2025向けKB5065426)では、このブログで8月にお伝えしたWindows PowerShell 2.0エンジン削除が予告通りに実施されました。対象は、Windows 11バージョン24H2およびWindows Server 2025です(画面2)。なお、Windows Server 2025の一部のマシンで、更新後も「役割と機能の追加ウィザード」や「Get-WindowsFeature」コマンドレットに「Windows PowerShell 2.0エンジン(PowerShell-V2)」が削除されず、残るケースを確認しました。ただし、インストールしようとしても“機能名 ・・・ は不明です”エラーで失敗するため、表示上の問題でコンポーネントは確かに削除されているようです(画面3)。
画面2 2025年9月の更新(OSビルド26100.6584)により、インストール可能な機能の一覧から「Windows PowerShell 2.0エンジン」が消えた。Windows 11バージョン24H2の場合は「Windowsの機能の有効化または無効化」から
画面3 一部のマシンでは「Windows PowerShell 2.0エンジン」が消えずに残ったが、インストールは失敗する
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