セイテクエンジニアのブログ 製品コラム Server Coreへのアプリ互換性FODとブラウザーのインストール-Windows FAQ(仮)
2024年09月11日配信
執筆者:セイ・テクノロジーズ エバンジェリスト
Windows Server 2019以降、Server Coreインストールにおいて「Server Coreアプリ互換性オンデマンド機能(FOD)」とInternet Explorer(IE)がオプション機能として利用可能になりました。Server Coreアプリ互換性FODのインストール手順を説明します。Server Coreアプリ互換性FODの各種ツールやブラウザーを利用できれば、「BOM for Windows」、「Job Director」、「SSD-assistance」でServer Coreインストール環境を扱う際の手助け(イベントログの確認など問題の調査やファイルのダウンロードなど)になるでしょう。
Windows ServerのServer Coreインストールは、エクスプローラーシェルを持たない最小インストールオプションであり、GUI機能に依存する役割(リモートデスクトップサービスなど)を除く、ほとんどのサーバーの役割を実行できます。Server Coreからは余分なものが排除されているため、より多くのシステムリソースをサーバーの役割に振り向けることができます。また、ディスクのフットプリントが小さく、コードベースが小さいため、攻撃面が小さくなるという利点もあります。
Server Coreインストールにはデスクトップが存在せず、コマンドラインやPowerShell、リモートのGUIツールを使用して管理することになります。GUIがまったく利用できないわけではありません。コマンドプロンプトやPowerShellはウィンドウ内で動作しますし、「タスクマネージャー」(taskmgr.exe)、「地域」(intl.cpl)と「日付と時刻」(timedate.cpl)コントロールパネル、および「メモ帳」(notepad.exe)など、限定されていますがいくつかGUIツールも利用可能です(画面1)。
画面1 デスクトップの存在しないServer Coreインストールにおいても、一部のGUIツールは実行可能
Windows Server 2019からは、Server Coreアプリ互換性FODとInternet Explorer(IE)をオプションで追加できるようになりました。Server Coreアプリ互換性FODをインストールすると、次のMMCスナップインやGUIツールが利用可能になります(画面2)。Microsoft管理コンソール(mmc.exe)が利用可能になるため、サードパーティのアプリケーションのインストールで追加されたMMCスナップインも実行可能です。
※ Windows Server 2022以降で利用可能
画面2 Server Coreアプリ互換性FODとIEが追加された環境。IE(iexplore.exe)を実行するにはパス指定(またはPath環境変数への追加)が必要なことに注意
Server Coreアプリ互換性FODのインストール方法は以下の公式ドキュメントで説明されています。ただし、Internet Explorerについてはメディアからのインストール手順しか説明されていないなど、分かりやすい手順とは言えません。
サーバー コア アプリ互換性オンデマンド機能(Microsoft Learn)
インターネットに接続されている場合は、次の2行のPowerShellのコマンドラインを実行することで、Server Coreアプリ互換性FODを簡単にインストールすることができます(画面3)。
PS C:¥Users¥Administrator> Add-WindowsCapability -Online -Name ServerCore.AppCompatibility~~~~0.0.1.0 PS C:¥Users¥Administrator> Restart-Computer |
IEも追加する場合(非推奨)は、以下の3行のコマンドラインを実行します。なお、いずれの場合もインターネットから切断された環境でのインストールについては、公式ドキュメントに従ってください。
PS C:¥Users¥Administrator> Add-WindowsCapability -Online -Name ServerCore.AppCompatibility~~~~0.0.1.0 PS C:¥Users¥Administrator> Add-WindowsCapability -Online -Name Browser.InternetExplorer~~~~0.0.11.0 PS C:¥Users¥Administrator> Restart-Computer |
画面3 インターネットに接続されている場合、Add-WindowsCapabilityコマンドレットを使用してServer Coreアプリ互換性FODとIEの両方を追加できる。追加後、再起動が必要
MicrosoftはWindowsクライアントにおいて、デスクトップアプリとしてのInternet Explorerのサポートを2022年6月に終了しました(Microsoft EdgeでのIEモードのサポートは少なくとも2029年まで継続)。Windows ServerではOSのライフサイクル終了日まで引き続きIntenet Explorerがサポートされますが、レガシなInternet Explorerでは正常にアクセスWebサイトやサービスは今後、ますます増えていくはずです。そのため、Server CoreにIEを追加するのではなく、Microsoft Edgeなどのモダンブラウザーを追加することをお勧めします。Microsoft Edgeの場合は、PowerShellで次のコマンドライン(※¥は半角文字に置き換えてください)を実行することでインストールできます(画面4)。
PS C:¥Users¥Administrator> Invoke-WebRequest https://c2rsetup.officeapps.live.com/c2r/downloadEdge.aspx?platform=Default"&"source=EdgeStablePage"&"Channel=Stable"&"language=ja -OutFile .\MicrosoftEdgeSetup.exe PS C:¥Users¥Administrator> .¥MicrosoftEdgeSetup.exe |
画面4 Microsoft Edgeのインストーラーをダウンロードして、インストールを開始する
Microsoft Edgeを起動するには、「C:¥Program Files (x86)¥Microsoft¥Edge¥Application¥msedge.exe」を実行します(画面5)。または、次のコマンドラインを実行して、ユーザー環境変数PATHに(一時的に)「C:¥Program Files (x86)¥Microsoft¥Edge¥Application」を追加してから、「msedge.exe」を実行します(※1行目のコマンドラインの結果、現在のユーザー環境変数PATHが ; で終わっている場合は、2行目のコマンドラインの ; は不要です。また、以下のコマンドラインの¥は半角文字に置き換えてください)。
PS C:¥Users¥Administrator> $ENV:Path PS C:¥Users¥Administrator> msedge.exe |
画面5 Server Coreインストールで動作するMicrosoft Edge
コンピューターのシステム環境変数PATHに追加、保存するには、次のコマンドラインを実行してください。これにより、再起動後もMicrosoft Edgeをパス指定なしで実行できるようになります(画面6)。
PS C:¥Users¥Administrator> [Environment]::GetEnvironmentVariable("Path", "Machine") PS C:¥Users¥Administrator> [Environment]::SetEnvironmentVariable("Path", $newenv, [EnvironmentVariableTarget]::Machine) |
画面6 コンピューターのシステム環境変数PATHにMicrosoft Edgeのパスを登録すれば、再起動後もパス指定なしで実行可能
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